リンが豊富な湖は最初の生命誕生の鍵を提供したかもしれない

地球上最初の生命体はいくつかの成分を必要としましたが、そのうちの成分の1つであるリンが何処から来たのかについて科学者は長年頭を悩ませてきました。生命の6つの主要な化学要素の1つであるリンが、 初期の地球上で 生命が爆発するために十分に豊富になった方法を誰も知りませんでした。

リンは生物の体を構成する重要なミネラルの1つです。カルシウムと結合することで骨を強くする他、リン脂質となり細胞膜の主要な構成要素となります。

ロシアの生化学者であるアレクサンドル・オパーリンは「膜なくして進化なし」と言い放ちました。したがって細胞膜の主要な構成要素であるリンがなければ進化も怒らないことになります。さて、この貴重なミネラルは何処から来たのでしょうか。

現在、科学者たちがその答えを見つけたかもしれません。乾燥した炭酸塩に富む湖がリン酸塩問題を解決したかもしれないと12月30日に刊行された「proceedings national academy of science」に掲載されました。

この発見は、初期の地球でどのようにして希少なミネラルが豊富に供給されたのかを説明できます。ワシントン大学の地球宇宙科学研究助教授であり、この研究の著者であるジョナサン・D・トナーは「50年間、「リン酸塩問題」と呼ばれるものが生命の起源に関する研究を悩ませてきました」と声明で述べています。

「リン酸塩問題」を調査するために研究者らは炭酸塩が豊富な湖に注目しました。これらの湖は普段は乾燥していますが、周囲の川から窪みの中に水が注ぎ込まれ、湖が形成されます。また、こうした炭酸塩を含んだ湖の多くは暑く、乾燥した気候にあるため湖の水の蒸発率は高く、それにより湖の水は塩分を含んだアルカリ性または高pHの溶液に濃縮されます。こうした湖は7つの大陸全てに見られます。

研究者らはカリフォルニアのモノ湖サールズ湖、ケニアのマガディ湖、インドのロナールクレーター湖など、世界中のソーダ湖でリンの測定を行いました。

季節によってりんの濃度は異なりますが、調査の結果、炭酸塩が豊富な湖には、海水、河川、および他の種類の湖で見られる最大50,000倍のリンレベルがあることを発見しました。このような高濃度のリンを蓄積できるシステムが自然界に存在することを示したのです。

しかし湖での大規模な実験は困難でした。これらの炭酸塩の湖にはその恩恵を受けるべく多様な生態系が構築されているためです。アフリカのマカディ湖では微生物を食べるためにフラミンゴの群れが訪れます。

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そこで研究者たちは、湖がどのようにリンを蓄積し、どのようにリン濃度が生命のない環境で得られるのかを理解するために、さまざまな化学組成の炭酸塩に富んだ水のボトルで実験を行いました。

研究者らは これらの水が高いリンを持っている理由は、炭酸塩含有量にあると推測しました。 通常、湖のカルシウムはリンと結合してリン酸カルシウムの固体ミネラルを作り、そのミネラルが生命にアクセスできないようにします。

しかし炭酸塩が豊富な水では、炭酸塩はリン酸塩を打ち負かしてカルシウムと結合し、一部のリン酸塩は付着しません。つまり水中でリン酸塩が自由に利用できるようになることが示唆されたのです。

「それは単純なアイデアであり、それがその魅力です」とトナーは語ります。

参照:live science