たとえ18時間の間飢餓に耐える訓練をしなければならないとしても、1日16~18時間食事を控えることは様々な健康状態を治療する鍵となるでしょう。過去の動物、及び人間を用いた実験によると血圧低下、体重減少、寿命の改善などの効果があることを示唆しています。
しかし殆どのアメリカ人は1日3食にスナックが定番となっており、断続的に絶食をすることはないため、医師たちは健康状態の改善として断食することを勧めることはないでしょう。
断続的な絶食と肥満や健康状態にどのような影響を与えるかという実験が2016年に行われました。
実験では毎日の時間制限給餌(1日6〜8時間を食べ、16〜18時間の絶食)と通常の食事(食事制限無し)をトレーニングと併用して食事制限前後合わせて8週間で脂肪量と筋肉量がどれだけ変化するのかについて調査しました。
その結果、通常の食事をしたグループはあまり変化がなかったのに対し、時間制限給餌のグループは、トレーニングと併用することで筋肉量を維持しながら体脂肪率を減らすことが可能であることがわかりました。
なぜ絶食すると体脂肪が減少するのかと言うと、仕組みは脂肪の蓄積から脂肪の節約への「スイッチの切り替え」にあります。
絶食と摂取を繰り返すことで、細胞は燃料貯蔵を使い果たし、脂肪をエネルギーに変換します。そのため体脂肪を減少させながら筋肉量を保つことが可能となるわけです。
しかし断続的な絶食の長期的な影響などと言ったことに関しては研究が進んでおらず、前述した実験も被験者が3人しかいないなど限定的なものです。
ハーバード大学のTH栄養学部長のフランク・フー博士は「運動や長期間の断食など、非常に大変な仕事をした後に自分自身に報酬を与えたいと思うのは人間の性質です「故に、断食をしない日には不健康な食生活にふける危険があります。」と語りました。
しかしジョンズ・ホプキンス大学の神経科学教授であるマーク・マットソンは「空腹感やイライラ感は最初は一般的であり、体と脳が新しい習慣に慣れるにつれて、通常2週間から1ヶ月後に患者は気づくはずです」と彼は言いました。
creditCNN一部編集