月に謎のマグマ活動の痕跡を発見。調べることで地球の生物史が変わる可能性も。

46億年前に太陽系ができて程なく、地球と月が作り出され、ほどなくしてまだ若い月に隕石が衝突して、直径1000kmの「危機盆地」が形成された。この衝突が性格にはいつおきたのかはわかっていない。しかしこの盆地を詳しく調べることで「初期の月、地球に激しく隕石降り注ぐ時期が存在したのか」という長年の謎が解明されるかもしれない。

地球に隕石が衝突した痕跡はあまり残っていない。地球では大気や地殻運動が衝突痕を消してしまうためです。しかし月には大気も地殻運動も少ないためそういった証拠がまだ残っていると見られている。そうした痕跡が間接的に地球の隕石の記録になるでしょう。

太古の地球に何が起こっていたのかを知ることは生物学的観点から重要だ。現在最も古い生物の化石は 35億〜42億8000万年前のものと言われている 。

しかし「アポロ計画」で月のクレーター持ち帰った岩石をそこから衝突時期を測定したところ38億〜40億年前に特に集中して衝突があったことが示唆された。「後期重爆撃期」と呼ばれる時期だ。

月に集中的に隕石が降り注いでいたとなると、当然その近くにある地球も同様のはずである。生物学は矛盾を抱えることとなった。

だがこうした岩石はもともと起源が不明瞭であり、発見場所にしても何かしらの要因で盆地から盆地へと移動した可能性があり、正確な衝突年代を割り出せない。こうしたことから「後期重爆撃期」が本当に存在したのかどうかが懐疑的な意見が上がっている。

後期重爆撃期が実在したかどうかを知るには、クレーター内の岩石ではなく、衝突溶融岩石を調べ、より正確に盆地の年代を割り出すほかない。 そう考えた研究者は「危機盆地」に目をつけた。

純度の高い衝突溶解岩はマグネシウムを含んでいることに目をつけた彼らは危機盆地の中にマグネシウムの痕跡がないか調査した。だがおよそ36億年前に激しい噴火が起こりマグマがクレーター内に流れ込み、衝突溶解岩を飲み込んでしまった。

だが 危機盆地の中にある幅35キロメートルの「ヤーキス・クレーター」にマグネシウムの強い兆候を発見した。研究チームはこの丘を調べることで隕石が降った時期を特定できると考えている。

「もちろん この衝突溶融岩石は危機盆地が形成されたときのものではなく、ヤーキス・クレーター自体ができたときのものである可能性もある 」とニール氏は述べている。

参照:https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/121700734/?P=3