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太陽系にまつわる意外な雑学10選【誰かに教えてあげたくなるトリビア】

灼熱の太陽、極寒の海王星、太陽系は個性豊かな惑星たちが集った集団である。近年の研究によってその神秘のベールは少しづづはがされていき、新たな事実が次々と明かされていった。今回は、友達や家族に話したくなるような太陽系のトリビアを10個まとめて紹介する。

太陽はいずれ地球を飲み込む?

太陽の中心部では4つの水素原子同士が融合し、1つのヘリウム元素と質量欠損による莫大なエネルギが生み出される現象、「核融合反応」が起きている。この反応によって太陽は中心温度5770Kという超高温を維持している。

しかし、太陽系の質量の99.8%を占める太陽であっても無限に水素原子をもっているわけではない。太陽は誕生して46億年が経過しており、理論的な計算によれば、あと50億年ほどで内部の水素を完全に使い果たすと見られている。

燃料を失った太陽の中心核は収縮をはじめ温度が急激に上昇。そのエネルギーが外側の層を押し広げ、最終的には現在の200~800倍の大きさになり、地球軌道よりも大きくなることが予想された

地球も太陽が膨張を始めた段階で海水がすべて蒸発し、ロッシュ限界を迎えて粉々になってしまうだろう。

だが、今日の研究ではそこまで大きくはならないのではないか、とする主張をある。

その他のTrivia

太陽は完全な球体に近い

地球で感じ取れる太陽光は8.3分前に放出されたもの

水星は実は太陽系で最も重い惑星

太陽に最も近く、金星、地球、火星と同じ岩石を主成分とする「岩石惑星」に分類される水星。

太陽系でも最小の大きさと地球に次いで2番目に平均密度の高い惑星だが、天体自身の重力によって内部が圧縮され、密度が高くなっていることを抜きにして考慮すると水星こそが太陽系で最も質量が大きい惑星と評価することができる

その要因となっているのが、異常なまでに大きい金属核の比率だ。地球を含めた地球型惑星の内部は地殻・マントル・核で構成されている。核は主に鉄とニッケル合金からできている。

地球の金属核が体積の16%程なのに対し、水星の金属核は体積の85%にも及ぶ。この値は太陽系の岩石惑星の中でもダントツで大きい。

なぜ同じ岩石惑星でありながらなぜここまで組成に差が生じているのか、はっきりした原因は分かっていないが、原始太陽の磁場によって重い金属がより内側へともたられされたとする説が提案されている。

金星の上空は植民に適した環境となっている

金星は地球から最も距離が近い惑星で、重力の大きさや内部構造が地球とよく似ていると推察されているため、「地球の姉妹星」と呼ばれている惑星だ。

しかし、地球の大気が窒素や酸素を豊富に含んでいる一方で、金星の大気は大部分を二酸化炭素が占めている。そのため、二酸化炭素の温室効果と分厚い大気との相乗効果で地表の平均気温は450℃、平均気圧は地球の90倍以上となっている。

また、厚い雲からは硫酸の雨が降っているが、高温によって地表にたどり着く前に蒸発するという、人の住める要素がまるでない、まさに地獄のような環境となっている。

そんな金星だが、人類が移住できる可能性がある場所が存在する。それが高度50キロメートルの上空だ。

重力がやや小さくなるが、気圧、温度ともに地球と同等。地球からの距離も近いと利点が多い。飛行船のような船で高度を維持し、金星の二酸化炭素を酸素へと置き換えることができれば移住も不可能ではないと研究者も少数ながら存在する。

そのため、金星探査を兼ねたコロニー建設の構想はいくつか計画されている。

太古の地球の1日は18時間ほどだった

地球の自転速度を決定づけている要素に「潮汐力」がある。

潮汐力とは、月がその重力で地球を引っ張る力のことを指す。これによって満潮と干潮が起き、そのたびに地殻との摩擦が起きている。これは「潮汐摩擦」と呼ばれている。

この際に動く海水が地球の自転にブレーキをかけている。

計算によると、月は毎年3.82センチメートル遠ざかっており、それに伴って地球の自転周期は100年に約2ミリ長くなっていることが明らかになった。つまり、地球の自転は徐々に遅くなっているということだ。

仮にこのペースで移動を続けていたと仮定すると、太古の地球はもっと自転速度が速かったことが導かれる

地層や化石に残る地質学的証拠からもこの説は支持されており、1億年前の地球では自転周期が約23時間40分、14億年前では18時間40分であったことが理論的に明らかになっている。

太古の地球では現代よりもはるかに大きい、美しい月が観測できたことだろう。

火星の夕焼けは青い

地球から観察できる夕焼けは赤い色をしているが、他の惑星ではまた違った色合いをしている。

その一例として、火星の夕焼は美しい青色をしている

マーズパスファインダーが2010年10月に撮影した火星の夕焼け。credit : NASA/JPL

夕焼けが赤く見える理由は、夕方の太陽光が通常よりも長く大気を通るため青い光が拡散され、赤い光の割合が多くなるためだ。

しかし、火星の大気は地球の20分の1ほどしかないため、地球ほど夕焼けに影響を及ぼさない。代わりに酸化鉄を主成分とする多くのが浮遊している。この塵が赤や緑の光を散乱し、最後に青の光が濃く残るため、このような夕焼けとなる。

一方で、昼間は塵が赤い光を多く散乱することで空がピンク色や赤色になる。要するに、火星の空は地球とは正反対の色をしているのである。

木星で最も温度が高いのは赤道ではなく極域

太陽放射の恩恵を受けづらい木星では、表面温度(この場合は大気圧が1気圧の地点)が-140℃とかなり冷え込んでいる。理論的には上層の大気はさらに寒冷となり、放射量に基づいて計算すれば、上層大気も-73℃ほどになるはずであった。

しかし、実際の観測では700K、つまり約426℃もの異常な高温が検出されたそれも赤道ではなく北極などの極域でだ

この現象は天文学者を50年以上困惑させ、「木星最大の謎」とまで呼ばれてきた。が近年の観測によって徐々に解明が進みつつある。

原因として有力視されているのはオーロラだ。惑星の強い磁場によって増強された神秘の光によって大気が加熱され、それが赤道付近まで吹き出しているとする仮説が研究者によって提唱され、議論が行われている。

木星上層における異常温度に関する論文 : nature / Global upper-atmospheric heating on Jupiter by the polar aurorae

地球外生命体がいるかもしれないエウロパは高い放射線を放っている。

木星を公転する4つのガリレオ衛星の中で最も小さく、太陽系で6番目に大きな衛星として知られる「エウロパ」はセンセーショナルな話題が尽きない惑星だ。

公転軌道が楕円を描く衛星は、主星の引力による影響が変化する。惑星が氷や粘土などの粘弾性体で構成されている場合、主星に引き寄せられる外層と静止状態を保とうとする内層との摩擦熱により、惑星全体が暖められる。この現象は潮汐摩擦と呼ばれている。

その好例が同じガリレオ衛星のひとつ、「イオ」である。

イオは地球を除いた太陽系惑星で唯一活活発な火山活動が確認されている惑星で、1979年にボイジャー1号がフライバイのため急接近した際には高さ300キロメートルにも及ぶ噴煙がカメラに収められている。

この火山活動の熱源となっているのが潮汐摩擦である。イオはガリレオ衛星の中で最も木星に近い軌道を公転しているため、もたらされる引力も大きい。木星という強力なパトロンのおかげでイオは内部を溶かすほどの熱を維持しているのだ。

エウロパは半径が小さく、より外側を公転しているため、うける潮汐作用はイオには及ばないが、それでも地表面は激しい伸縮を繰り返している。

加えて、エウロパは溶けやすい氷でできていることが探査機によって明らかになっている。

そのため、太陽熱がほとんど届かないにもかかわらず、厚い氷層の下に液体の水(海)を有しているのではないかと考えられている。エウロパは地球外生命探査の有力候補なのである。

そんなエウロパだが、かなり厳しい放射線を放っていることが明らかになっている

原因は木星の強力な磁場から発される高エネルギーの電子帯(放射線)を絶えず浴びていることだ。その結果として対策の施されていない探査機では到底近づけないほどの線量が放たれている。その影響で暗闇で発光している可能性が検証されるほどだ。

現状、これらの問題を解決し、エウロパ星人と出会う構想は実現していない。

土星の環は太陽系で最も”平坦”な構造物

土星と聞きいて思い浮かべるのはやはり土星の環だろう。太陽系内でも巨大惑星にはすべて環があるが、そのなかでも土星のものはひときわ壮大で見事なものだ。

遠くから見ると複数の環が同心円状に並んでいるように見えるが、実際には1~10センチメートルの氷の礫が無数に集まっている非常に複雑な構造をしている。半径も外側のA環で13万キロメートルと、地球がいくつも入るほど大きい。

そんな土星の環だが、実は少しずつ傾きを増している。土星が太陽の周りを公転するにわたって私たちは土星の環を真横から観測する機会も当然訪れる。驚くべきことに、この際には大規模な望遠鏡をもってしても土星の環を観測することができなくなるのだ。これらのことから環の厚みは非常に薄いことが分かる。

当初、その厚みは1キロメートルほどと予想されていたが、観測技術の向上した現在ではわずか100メートルほどであると発表されている。

土星探査機『カッシーニ』が撮影した土星の環。水平方向から見ると一本の線に見えるほど環は薄い。credit : NASA/JPL/Space Science Institute

天王星の内部ではダイヤモンドの雨が降っている可能性がある

太陽系第七惑星、木星と土星に次いで3番目の大きさを誇り、巨大氷惑星に分類される天王星。

際立った特徴としては自転軸の極端な傾きが挙げられる。赤道面と公転軌道の傾斜核は98°、要するにほぼ横倒しの状態で太陽の周りをグルグルとまわっているのである。

そのため、公転軌道によっては太陽光が極端に当たり続けることになり、極域では公転周期(約84年)の半分、42年間に及ぶ昼、または夜を経験することとなる。なぜこのような極端な自転軸をしているのかはよくわかっていない。

また、天王星の美しい青色は大気に少量含まれるメタン分子が可視光の赤色域を吸収する性質のためである。緑色域も吸収しないので青緑色に見える時もある。

興味深いのは、天王星や海王星のような氷惑星の内部では「ダイヤモンドの雨」が降っている可能性があることだ

惑星内部の高圧環境下ではメタン分子(CH4)が炭素(C)と水素(H)に分解される。炭素原子はより安定した形を求めて濃集が起こることで炭素の結晶、つまりはダイヤモンドが形成されていると考えられている。

実際に現地まで確認しに行くことはできないが研究室内での再現は部分的に成功しており、より低い圧力でもダイヤモンドやグラファイトなどの炭素結晶が形成されることが確認されている。

海王星では太陽系最強クラスの強風が吹いている

地球の4倍の直径をもち、太陽系の最も外側を公転する惑星、海王星。2006年に準惑星の基準が新たに定義されたことで冥王星が除外され、順位が繰り上げられたことは記憶に新しい。海王星の内部構造は天王星とよく似ており、神秘的な青色もメタン分子の性質によるものである。

しかし、同じ巨大氷惑星でありながら両者の気候には大きく異なっている。天王星は望遠鏡で観測する限りは目立った特徴はなく、大規模なジェットなども発生していない。

一方で海王星には太陽系でも最大の暴風が吹き荒れている

海王星の大暗班とスクーター

この画像は1989年にボイジャー2号が撮影した海王星の巨大な嵐「大暗班」だ(NASAによってコントラストに加工が加えられていることに注意)。

このような渦は巨大惑星に共通した特徴であり、木星には地球が2つほど入る大きさの「大赤班」、土星には惑星を一周するほどの「大白班」が観測されている。大暗班もこれらに倣って楕円形をしている。

ボイジャー2号が雲の動きから算出した速度は驚異の時速2000キロメートル。台風(時速40キロメートルほど)の50倍、音速をゆうに超える速度の風が海王星で吹きすさんでいるのである。

ちなみに大赤班の風速は時速650キロメートルほどだと言われている。これもこれで十分スゴイがやはり規格外の海王星と並べてみると見劣りしてしまう。

残念なこと、5年後にハッブル望遠鏡で観測した際にはこの大暗班は観測されず、消滅しれしまったものだと考えられている。詳しい理由は現在も分かっていない。だが、その数か月後には新たな暗班が出現していたという。