Electigmaについて

不明だったオーロラの発生原理が証明される

天空にかかる神秘、オーロラ。何世紀にもわたって人々を魅了してきたオーロラは近年では科学者らの関心を集めています。

オーロラの発生原因は様々な憶測が飛び交っていますが、未解決なままでした。

米国の物理学者のグループは学術誌『Nature Communication』に掲載した論文の中で、地磁気嵐の際に発生する『アルヴェーン波』によって加速された電子がオーロラを引き起こすことを証明したことを発表しました。

・研究報告 : Nature Communication | Laboratory measurements of the physics of auroral electron acceleration by Alfvén waves | Correspondence to J. W. R. Schroeder.et,al,2021,

・Referece : Science news

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オーロラはどのように生成されるのか

オーロラの発生メカニズムには太陽と地球磁場が強く関係していると言われています。

始めの一歩は太陽から飛んでくる太陽風が地磁気と衝突することです。

太陽風とは、太陽表面の活動によって放出される高温で電離した粒子(プラズマ)を指します。太陽風はプラズマの流れなので磁場も一緒に運んできます。

この太陽風が地球に向かってやってくると地球の持っている磁気圏と衝突、相互作用によって磁気嵐が生じます。

磁気圏は太陽風から地球を守る働きがありますが、完全に防いでくれるわけではありません。

受け流された太陽風はプラズマシートと呼ばれる地磁気の夜側に流れ、何らかのキッカケで地磁気の両極から高速で降下し、大気圏上層に入り込みます。

その後、希薄な大気中の分子や原子と衝突、一時的に高いエネルギー状態となり、それが低いエネルギー状態に戻るとき発光します。

これがオーロラです。

しかし、電子が大気層と衝突する前、何によって加速されるのかなど依然として明らかになっていない問題もあり、この世界で生成されるオーロラを統一的に説明できる理論はまだ存在していません。

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最有力説を検証

現状、最有力な説は『磁気リコネクション』と呼ばれるプロセスの過程で発生する『アルヴェーン波』がオーロラの原因となる電子を加速させている、というものです。(=ランダウ・ダンピング

科学者たちは何十年も前からこの説に注目していましたが、探査機による観測には限界があり、この現象を直接観測した衛星はありませんでした。

物理学者たちは大型プラズマ装置(LPD)を用いて実験を行うことで地球磁気圏の状況を再現しました。この装置は強力な電気コイルを搭載しており、長さ20m、幅1mの真空チャンバー内に独自の磁場を発生させることで地球上層部の環境を作り出すことができます。

LPDは「庭のホースを上下に素早く振って、波がホースに沿って移動するのを見るようなものです。」と、著者の一人であるHowes氏は説明しています。

その後、装置の中にプラズマを入れ、反対方向からアルヴェーン波を発生させることでアルヴェーン波に巻き込まれたプラズマの速度を測定しました。