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宇宙ゴミがISSに衝突、アームの一部を損傷させていたことが発覚

地球の衛星軌道上には、ロケットや人工衛星の破片である「宇宙ゴミ(スペースデブリ)」が沢山あります。

デブリは高速で軌道上を移動しているため衝突の際のエネルギーもすさまじく、わずか数センチの破片でも設備が破壊されたり、壁が破壊されることで酸素が流出する危険があります。

そのため、NASAは24時間体制で監視をおこない衝突の可能性を最小限に抑えています。が、小さな破片が監視の目をすり抜けていたようです。

カナダ宇宙局(CSA)が5月23日に公開したブログで、国際宇宙ステーション(ISS)に搭載されているロボットアーム「Canadarm2」に極小のデブリが衝突し、アームの一部に穴が開いていることを発表しました。

・ブログ | カナダ宇宙局(CSA)|Lucky strike: Canadarm2 stays the course after an orbital debris hit

・Reference | iflscience

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宇宙の「環境問題」

スペースデブリとは、衛星軌道上を周回する不要な人工物です。切り離しロケットの上段、塗料の欠片、役割を終えた人工衛星、デブリ同士の衝突で発生した破片等が含まれます。

1957年にスプートニク1号が打ち上げられて以来、人類は50年以上にわたって宇宙に各種機材を送り出してきましたが、同時に多くのゴミも生み出しました。現在知られているだけでも10cm以上のデブリが約2万3,000個、1mm未満のものに至っては1億個以上あるとされています。

各種機材もデブリも低軌道では秒速7~8kmの速度で移動しているため、衝突の際には相対速度で秒速14~16kmの超高速となります。これはライフル弾の10倍以上の速度であり、威力は絶大。わずか1cmの小さな破片であっても当たり所が悪ければ各種機器に致命傷を与える可能性があります。

また、衝突の可能性は低いものの決してゼロではなく、1996年には、フランスの人工衛星「スリーズ(Cerise)」がスペースデブリと衝突し、一部が破損するという事例も報告されています。

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あわや大惨事

今回の衝突は、5月12日に行われた定期点検の際に発覚しました。衝突した破片はNASAの監視の目を潜り抜けるほど小さなものと推察されますが、それでも金属製のカバーを損傷させるほどのエネルギーを保持していました。

CSAとNASAの専門家によって周辺の画像が撮影され、受けた影響が推し量られましたが、幸いなことにアーム本体の運用に影響はないとの分析がなされています。

Canadarm2とデブリによって空いた穴。。Credit: NASA/Canadian Space Agency

CSAは声明の中で「今回の損傷は、アームのブームとサーマルブランケットの一部に限られています。」と、コメントしています。

「Canadarm2は、不具合のある電源スイッチボックスを交換するためにデクスターを所定の位置に吊り上げるなど、予定していた作業を継続して行っています。」

スペースデブリは宇宙開発に伴って増加の一途をたどっており、多種多様な軌道を周回していることから制御は困難を極めています。これらの対策は数多く考案されているものの未だ実現に至っていないのが現状です。

そのため、現在はデブリの発生自体を抑制する方向に舵をきっており、国際的なガイドラインが策定されています。

また、NASAは軌道デブリプログラム事務局(NASA Orbital Debris Program Office)を設立し、比較的大きいデブリのカタログ化を行っています。もし興味がおありでしたら是非最新情報をチェックしてみてください。

https://www.orbitaldebris.jsc.nasa.gov/