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犬は自身の体が障害となることを認識している 研究で明らかに

ハンガリー・エトヴェシュ・ロラーンド大学の研究チームは2月18日、学術誌『Scientific Reports』で発表した論文の中で、イヌが問題を解決する際に、自身の体と周囲の環境の関連性を理解していることを明らかにしました

これは、極一部の動物にみられる「自己表現・自己認知」の一部であり、意識の獲得への第一歩です。

研究報告 : Scientific report / Dogs (Canis familiaris) recognize their own body as a physical obstacle / Rita Lenkei.et.al

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複雑な認知能力の実証方

自分自身の精神状態を自覚したり、鏡に映った顔についている覚えのない汚れをふき取る。

一見簡単なことのようにも思えますが、この認識には複雑かつ、高度な認知能力を必要とします。

捕食者におびえながら過ごす、矮小な動物だった私たちの祖先が食物連鎖の頂点に立てたのも、ひとえに優れた認知能力をもっていたためといっても過言ではありません。

そのため、心理学者は、ヒト以外にも視覚的な自己認識が備わっているのかどうかの調査を長年おこなってきました。

その過程でよく使用されている手法が「ミラーテスト」です。

ミラーテストとは、対象の動物の一部に気づかれないように塗料でマークを書き、鏡でその部位を見せた時、どのような行動をとるのかといった実験です。

対象が鏡に映った像を自分自身だと認識すれば、その部位を調べたり、触ったりすれば、像を同属の他個体ではなく自身だと認識したこととなり、自己認知能力が備わっているとみなされます

過去、このテストには、ヒトを含めた大型類人猿、シャチ、イルカ、そしてホンソメワケベラが合格しています。

しかし、「複雑な認知能力を理解するには実験内容が限定的すぎる」、「視覚への依存度が低い動物には役に立たない」などの意見もあがっており、その妥当性に疑問をもつ研究者も少なくありません。

そこで、ゾウの保全活動を行っているThink Elephants Internationalの創設者であるジョシュ・プロトニック博士は同僚のレイチェル・デールとともに、新しい認知テストを開発しました

これが実験の様子です。

この新しいテストは、まず、目立たない色のマットにゾウを誘導することから始まります。マットに乗ったのを確認したら、置いてある棒をこちらに渡すように要求します。ゾウは命令通りに棒を手渡そうとしますが、棒はマットと短いヒモでつながっており渡すことができません。

このときに、ゾウがマットから降りて棒を手渡すことができれば、自身の体がタスクをこなすうえで障害となってることを認識できていることになります

ケンブリッジ大学が行った研究では、アジアゾウ12頭で実験した結果、かなりの高確率で合格できることが示されました。

そして今回、エトヴェシュ・ロラーンド大学のチームは、イヌの認知能力を調査するためのこのテストを使用。実験を行いました。