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幼少期に不健康な食事をとると長期にわたって腸内細菌の多様性が失われる可能性があるという研究結果。

不健康な食生活が、精神的・肉体的な面で悪影響を与えることは広くで知られています。

しかし、腸内に住む微生物にはどれほど影響があるのかはあまり知られていません。

カリフォルニア大学・リバーサイド校(UCR)の研究チームは、1月11日に公開された新たな研究で、子供の頃に不健康な食事を食べすぎると、たとえその後に健康的な食生活を送ったとしても、長期的に腸内細菌の多様性が損なわれる可能性を報告しました

研究報告:Journal of Experimental Biology 2021/Early-life effects of juvenile Western diet and exercise on adult gut microbiome composition in mice:©Published by The Company of Biologists Ltd

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微生物も多様性が重要

ヒト腸内には約100兆個の微生物が生息しており、病原菌の排除、ビタミン類の合成など重要な役割を担っています。

しかし、ストレスや食生活によって腸内環境は大きく変化します。

腸内細菌叢(腸内フローラ)の偏りはさまざまな病気に関連しており、健康を保つためには多様性を維持することが大切だとされています。

この研究では、ヒトの人生の中でも特に重要な時期とされている発育期に腸内細菌の多様性が失われた場合、どのような影響が出るのかを調査するために4つの異なる条件下で飼育したマウスを比較しました。

半分のグループには欧米式の高脂肪・高糖質の食事。残りの半分には標準的な健康食を与えました。

また、それぞれのグループの片方には運動不足を解消するための回し車が用意されています。

3週間目以降、すべてのマウスは標準的な健康食・回し車なしの個室で飼育され、14週間目にフンを採取、腸内細菌に多様性を分析しました。

その結果、高脂肪・高糖質の食事をとっていたマウスは運動したかどうかに関わらず、多様性が低下していたことが明らかとなりました。

このことから、著者らは幼少期の食事は運動よりも腸内細菌叢に長期的な影響を与えると結論づけました。

本研究ではヒトではなくマウスが用いられましたが、研究チームの一員であるセオドア・ガーランド氏は

私たちはマウスを研究しましたが、私たちが観察した効果は、脂肪や糖分の多い西洋式の食事をしている子供たちと同等であり、彼らの腸内細菌叢は思春期の6年後まで影響を受けています

と、説明しています

チームは、食事を正常に戻してからも変化が継続したことを重要視しており、今後は実験を繰り返すことでいつ頃から変化が現れるのか、人生のどの段階まで及ぶのかを解明していく予定とのこと。

reference:New Atlas/カリフォルニア大学・リバーサイド校