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超音波を使用して昏睡状態の患者の意識を一時的に回復させることに成功!

2016年、昏睡状態にあった25歳の男性の脳組織を超音波で刺激したところ、3日後に意識を取り戻すというケースが報告されました

この出来事は注目を集め、昏睡状態となった患者を治療するための新たな方法になるのではないかとされましたが、研究者たちは自身らが幸運に恵まれていたのではないかと疑っていました。

そしてこのほど、彼らは過去の成功が偶然ではなかったことを証明しました。

査読付きの医学雑誌Brain Stimulationに掲載された論文によると重度の脳障害をおっていた3人の患者に前回と同様の治療法を実行し、うち2人を一時的にコミュニケーションがとれるまで回復させることに成功したとのこと。

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目覚ましい進化

チームが使用した技術は「低強度集束超音波(LIFU)」と呼ばれるもので、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の教授であるアレクサンダー・ビストリツキー氏によって開拓されたものです。

この技術を搭載したデバイスは、コーヒーの受け皿と同じくらいのサイズで、頭に取り付けることで脳の様々な部位に音波刺激を与えることができます。

超音波で脳に刺激を与える。credit:Martin Monti/UCLA

チームは意識の保持や体性感覚の中継に関連しているとされる視床に焦点を当て、デバイスを10分間に30秒間作動させ、それを10回繰り返しました。各患者は1週間おきに2回この治療を受けています。

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3人中2人が一時的に回復

論文によると、対象となった3人のうち、1人は技術の恩恵を受けられなかったが、2人はかなりの改善が見られました。

脳卒中により、14か月間コミュニケーションが取れない状態が続いていた56歳の男性は、1回目のセッションでボールを掴んだり落としたりする能力を示し、2回目のセッションを終えた数日後には、ボトルを口に持っていったり、紙とペンを適切に使用できる様になりました。

また彼は、親戚の名前を聞いた時にその人が写った写真に視線を向けたり、「Xはあなたのお名前ですか?」や「Yはあなたの奥さんのお名前ですか?」などの質問に対し、うなずいたり、首を振ったりして答えられるようになりました。

しかし残念なことに、3ヵ月後と6ヵ月後の経過観察では、以前と同じ意識レベルまで退行してしまったと論文で報告されています。

心停止により2年半もの間意識が低下していた50歳の女性は、1回目の治療の後、様々な物体(鉛筆や櫛など)を認識できるようになりました。彼女の家族によると、治療前にこのような行動は確認されていなかったとのこと。