伝説的なゲーム会社「Valve」の共同創設者であるゲイブ・ニューウェル氏は、ニュージーランドのメディア1.Newsに対して、人々の脳の信号を読み取ることができるBCI(ブレイン・コンピューター・インターフェイス)の将来について語り、この技術を搭載したヘッドセットの開発に取り組んでいることを明らかにしました。
同氏は「私たちはオープンソースプロジェクトに取り組んでおり、誰もが高解像度の『脳信号読み取り技術』をヘッドセットに内蔵し、様々な様式で利用できるようにしています。」と、インタビューで述べています。
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VRがよりリアルに
世界最大級のゲーミングプラットフォームサービス「Steam」を提供しているValveは、VR向けプラットフォーム「StermVR」の提供やVRハードウェア「HTC VINE」の共同開発を行うなど、VR市場に積極的に参入しています。
ValveがBCIについて言及することはこれが初めてではなく、昨年のインタビューで「マトリックスは人々が考えているよりも遥かに近い」、「このことを考えていないあらゆるエンターテイメントが絶滅するレベルのイベント」と発言しており、プロジェクトの存在を示唆していました。
そんなニューウェル氏によると、Valveは現在、バイオセンサーのハードウェア企業であるOpenBCIと協力してBCIを搭載したVRヘッドセットを開発に取り組んでいるとのこと。
これにより、ヘルメットのようなハードウェアを使用して、人々の脳から読み取られた信号を解釈し、没入感を向上させることができます。例えば、「プレイヤーがゲームの単調さに退屈しているとマシンが気づいたら難易度を上げる」などです。
これらはSFの話のように聞こえますが、実際、OpenBCIは11月にGaleaと名付けられたヘッドセットデザインを発表しています。
このデバイスには多数のセンサーが搭載されており、脳電気活動、体の動き、まばたき、心拍数を測定できるだけでなく、プレイヤーの興奮、退屈、恐れなどを判断することができます。
既に発表されているこのデザインがどこまで採用されるのかは不明ですが、このようなヘッドセットがあればVR世界に「トリップ」できるかもしれません。
またニューウェル氏は、単に感情を読み取れるだけでなく、その逆、つまりは人の感情を上書きできる可能性についても語りました。ニューウェル氏は、BCIは近いうちに、これらの感情をデジタル的に編集できるようになり、アプリを使うのと同じくらい簡単になるだろうと予想しています。
「私が期待している初期のアプリケーションの1つは、睡眠の改善です。睡眠は、アプリを起動して『ああ、これだけの睡眠が必要だ、これだけのレム睡眠が必要だ』と言うようなものになるでしょう。」
また、脳内の不要な感情や状態が減少または完全に除去できる可能性があることから、治療にも役立てられるかもしれません。
Consultation:1News