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夜尿症のリスクを高める遺伝的変異が発見される。

デンマーク・オーフス大学の研究チームは、デンマークの若者を対象とした大規模な調査により、夜尿症(一般的には5歳以上に見られる『おねしょ』)を発症するリスクを高める遺伝的変異を発見しました。世界初となった今回の発見は、夜尿症が世界中で蔓延している原因について、全く新たな見識を与えるでしょう。

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夜尿症は遺伝するのか

夜尿症が遺伝子と関係した疾患であることを研究者は知っていました。両親に夜尿症があった場合、その子供が夜尿症を患う可能性は有意に高くなります。また、兄弟、姉妹そろって夜尿症という症例が見られても何ら不思議ではありません。

にもかかわらず、これまで科学者たちは、遺伝的決定要因を特定することができませんでした。

「7歳児の16%が夜尿症に苦しんでおり、それらの多くは成長するにしたがって自然に治っていくものの、成人の1〜2%がまだこの問題を持っています。」

「これは深刻な状態であり、子どもの自尊心や幸福感に悪影響を及ぼす可能性があります。たとえば、子供たちはいじめられることを恐れている可能性がありますし、多くの場合、宿泊を伴うイベントから身を引くでしょう。」

しかし今回、オーフス大学の研究プロジェクトiPSYCHと他部署の同僚との共同研究チームは、世界で初めて『おねしょの増加に関連する遺伝的変化』を特定しました。

研究チームは、夜尿症と診断された、または夜尿症の薬を服用しているデンマークの若者3,882人の遺伝子を調査。その後、これらの問題に悩まされていない31,073人の遺伝子と比較しました。検証にはゲノムワイド関連解析(GWAS)が用いられました。

ゲノムワイド関連解析とは、ヒトゲノム全体をカバーする一塩基多型のうち50~100万か所の遺伝子を決定し、集団の個体に存在する形質や遺伝子配列の違いの関連性をゲノム全体にわたって調べる方法です。

調査の結果、チームは染色体に存在する6番染色体と13番染色体の2つの遺伝子座が夜尿症と有意に関連していることを突き止めました。「2つの遺伝子座における6つの遺伝的変異(6番染色体16.2番に5つ、13番染色体22.3番に1つの変異)は、ゲノムワイドな有意性の閾値を超えていた」と、チームは記事で報告しています

「私たちが指摘する潜在的な遺伝子因子は、私たちの脳が夜間に尿産生を抑える能力を開発し、膀胱の活動を調節し、適切な方法で眠ることに関連しています。(意訳)」

「わたし達が指摘する潜在的な遺伝因子は、脳が夜間に尿生産を抑える能力の開発、膀胱の活動の制御、適切な方法で眠ることなどに関連して役割を果たしている可能性があります。」と、筆頭著者であるCecilieSiggaardJørgensen氏は語っています

また、この研究は、一般的に発生している遺伝子変異が夜尿症の遺伝的リスクの最大3分の1を説明できます。これはつまり、わたし達全員が持っている遺伝的変異が特定の組み合わせで発生した場合、誰しもが睡眠時にオムツを履く必要性が出る可能性があるということです。