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ブラックホールから莫大なエネルギーを引き抜く方法とは?

遠い未来、人類が地球外で永続的な繁栄を謳歌する際、懸念されているのが『エネルギー不足』の課題です。しかし、先進的な研究のおかげでブラックホールを巨大なエネルギー貯蔵庫に変えられるかもしれません。

コロンビア大学とチリのアドルフォ・イバネス大学の研究チームは、ブラックホールの磁力線を切断、再結合させて荷電粒子を加速させることで、大量のエネルギーを収穫できる可能性を明らかにしました。

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ブラックホールは未来のエネルギー源となりうるのか

アインシュタインが発表した一般相対性理論によると、回転するブラックホールは、この宇宙のどの物質よりも重く、時間と空間を捻じ曲げるほどのエネルギーを持った巨大な力です。

科学者たちがこのロマン溢れるエネルギー源に目をつけないはずはなく、ノーベル物理学賞を受賞したロジャー・ペンローズ氏はブラックホールからエネルギーを取り出す仮想方法「ペンローズ過程」を提唱し、ロジャー・ブランドフォード氏ロマン・ズナジェク氏磁力線の電位差を利用してエネルギーを抽出する方法を発表しています。また、2020年6月には「事象の地平面付近に放出した光や物質がエネルギーをチャージ。戻ってくるのを回収する」方法が提案されています。

チームの理論もその考えからさほど離れていません。研究の筆頭著者であるルカ・コミッソ氏とアセンジョ氏は、エルゴ球で磁気再結合現象が発生した場合、荷電粒子が2つの異なる方向に加速することを前提として理論を構築しました。

ブラックホールには大きく分けて2つの領域が存在しています。「事象の地平面」と「エルゴ球」です。事象の地平面は『脱出速度が光速度を超える領域』のことで『情報伝達の境界線』とも呼ばれています。一方通行の領域のため、内部でどのようなことが起こっているのかは観測できません。

そしてその周りあるのがエルゴ球です。この領域内の時空はブラックホールによって歪められています、また、内部にはエネルギーが負へと変化する軌道があると言われています。

この軌道に光や粒子を適切なタイミングで投入し、回転方向と逆方向に運動する2つの物体に分裂させる。その後、逆方向に運動する物体を負のエネルギー軌道にのってブラックホール内部へ落下し、他方は回転に引きずられてエネルギーを得た後にエルゴ球を脱出する。するとこの物体は突入時よりも大きなエネルギーを持って放出される。これがブラックホールからエネルギーを収穫する基本的な方法「ペンローズ過程」です。

ブラックホールは負のエネルギーを受け取った物質を取り込むため、回転が遅くなります。「マイナスカロリーのキャンディーを食べると痩せるようなもです。」とコミッソ氏は説明しています。「これは奇妙に聞こえるかもしれませんが、エルゴ圏と呼ばれる領域で起こる可能性があり、時空連続体が非常に速く回転しているため、全ての物体がブラックホールと同じ方向に回転しているのです。」

エルゴ球の内側では磁力線が切断と結合を極端に繰り返すことにより、プラズマが高速に近い速度まで加速されています。研究チームはこのプロセスを利用して大量の『ブラックホールエネルギー』を取り出すことが可能であると説明しました。

「プラズマエネルギー供給のプロセスは、地球上で稼働しているどの発電所よりもはるかに高い150パーセントの効率に達することができると計算しました。」と、共著者であるアセンホ氏は声明で語っています。

「100パーセント以上の効率を達成することが可能なのは、ブラックホールがエネルギーを漏らしているからであり、そのエネルギーはブラックホールから逃げるプラズマに無償で与えられています。」

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夢のブラックホール発電所!

チームが考案したエネルギー取り出しプロセスは、すでに多くのブラックホールで実行され、時折放たれるX線フレアの原動力かもしれません。

人類の科学力は『ブラックホール発電』とは遠いところにいますが、この途方も無いエネルギーを利用できるようになれば将来の電力需要の答えになるかもしれません。

「数千年後、数百万年後には、人類は星からのエネルギーを利用せずにブラックホールの周りで生き延びることができるかもしれません。これは技術的な問題です。物理学に目を向ければ、それを妨げるものは何もありません。」

遥か遠い未来、地球のエネルギーが枯渇し、銀河が死に絶え、ブラックホールしかエネルギー源がなくなった宇宙の深淵ではこれが文明を存続させる唯一の希望となるかもしれません。

consultation:Futurism/colombia University