Electigmaについて

「マジックマッシュルームを静脈注射した男性の体内でキノコが繁殖する」という事件が発生

強力な幻覚作用がある魔法のキノコを煮出してつくった「お茶」を自身の静脈に注射したアメリカ人男性が多臓器不全を起こし、救急搬送される事例が報告されました。

男性が病院に到着したときには既に血中で菌が繁殖しており、一時は集中治療室(ICU)で治療を受けていましたが、現在は無事に退院したとのこと。

スポンサードリンク

キノコの凄まじい繁殖力

マジックマッシュルーム」は、多幸感や幻覚を誘発するトリプタミン系化合物のシロシンシロシビンを含んだキノコの総称で、世界中に自生しています。毒キノコに分類されていますが、毒性のほとんどが幻覚を引き起こすもののため死亡することはあまりありません。

男性の家族は彼が双極性障害とオピオイド依存症を患っており、医師から処方された薬を服用せずに独自の療法で症状を改善することを望んでいたことを明かしました。「薬の影響でうつ状態と躁状態を行き来することが多かった」と語っています。

薬に頼らない精神疾患の治療法を模索していた男性は、「マジックマッシュルームやLSDなどの幻覚剤には精神疾患を治療効果があるかもしれない」というネット記事に辿り着きました。

実際、マジックマッシュルームに含まれる「シロシビン」が重度のうつ病や不安障害に有効に作用することは多くの試験で示されていますが、それらは経口摂取によって体内に投与されたものです。にもかかわらず、男性はマジックマッシュルームの抽出液を静脈に注射するという一風変わった手法で症状の改善を試みたのです。

すると数日後、男性は倦怠感、黄疸、吐き気、下痢などの症状とともに吐血。心配した家族が病院へ連れて行ったときには「極度の混乱」に陥っており、まともな受け答えができない状態でした。

病院のスタッフが検査すると、男性は腎臓や肺が機能不全に陥り始めており、敗血症性ショックを含む複数の合併症が発覚。すぐさま集中治療室(ICU)に入れられ、抗生物質と抗真菌薬による治療を受けました。

彼の血液を調査したところ、ブレビバチルス属という細菌とミナミシビレタケ(マジックマッシュルームの1種)という真菌に感染しているだけでなく、血中でミナミシビレタケが増殖していることが明らかになりました。

男性は最終的に集中治療室(ICU)に8日、一般病棟に14日の合計22日間入院することとなりました。一時は急性呼吸不全に陥るなどのトラブルもあり、退院した現在でも血中で真菌の増殖を抑えるための薬を複数服用しているとのこと。

スポンサードリンク

薬か毒か?

マジックマッシュルームなどの薬物は取り扱いを間違えれば今回のような自体を引き起こしますが、適切に扱えば革新的な治療法となる可能性があります。

米国のいくつかの州では既に合法化が推し進められており、オレゴン州ではマジックマッシュルームの成分であるシロシビンを合法化するための動きが見られるなど近年注目を集めています。

「今回の症例は、処方された薬を本来の目的以外で使用される危険性とともに、民間人への継続的な教育の重要性を強調しています。」と、医師は報告書内で指摘しています。

consultation:Livescience/IFLscience/Journal of the Academy of Consultation-Liaison Psychiatry/newsweekjapan