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イヌが人類最古の親友となったのは、彼らの祖先に「余った肉を分け与えていたから」という可能性

人間と犬は長い長い道のりをともに歩んできました。狩猟、採取などで生活を成り立たせていたわたし達の祖先はイヌを大切に扱っており、日本でも縄文早期の遺跡から埋葬されたイヌの骨が発見されています。

今日、オオカミを含む多くの大型肉食動物が、住処や獲物を人間に奪われたことで個体数を減少していますが、オオカミの祖先から分裂したイヌは世界中で個体数を増加させています。生物としては大成功と言えるでしょう。

ライバルと違い人とともに歩むことを選択したイヌですが、この素晴らしい共存関係はどのようにして育まれたのでしょうか。わたし達の祖先は彼らの奉仕に答えるために何を差し出したのでしょうか。

フィンランドの科学者たちは興味深い答えを発表しました。なんと冬の間、相棒のオオカミに過剰な赤身肉を与えることで競争を減らし、オオカミの家畜化を加速させていたと言うのです。

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オオカミとヒトは同じ獲物を分け合っていた!?

著者らは、「オオカミとイヌが分裂した2万年前の氷河期後期にヒトとオオカミが同じ獲物を狩っていた場合、共存よりも競争を減らすために殺しただろう」という仮説をたてました。彼らはそれだけ優れたハンターだったのです。

チームは古代のオオカミと人間の残した食事のエネルギー量を計算したところ、両者の間で競争はほとんどなかった可能性を指摘しました。

わたし達の祖先は長く厳しい氷河期を生き残りました。冬の間、植物は育たなくなり、それを主食としている動物は必然的に痩せ、脂肪と炭水化物の少ない赤身肉が大量に食卓に並ぶこともあったでしょう。

ですが、人間は完全な肉食には対応していません。ナッツ、マメ、その他の植物を摂取しないと高アンモニア血症や下痢を引き起こします。それらを放置して赤身肉を食べ続けた場合、致命的なタンパク質中毒につながる可能性もあります。そのため当時に人々は、赤身の肉よりも脂身の多い部位を好んでいたとされています。

肉だけを食べ続けた場合、ヒトはどうなってしまうのか。

しかしオオカミにそのような制限はありません。時期によってはサケなどの魚やブルーベリーを食べますが、赤身肉だけでも数カ月は生き残ることができます。

チームは、氷河期末期の北中西部ユーラシア大陸に生息していた獲物のタンパク質含有量を調査しました。その結果、イタチ種を除くすべての動物は人間が消費できる量を遥かに超えるタンパク質を保持していることが明らかになりました。その結果、1年で最も寒くなる時期(野菜を入手できない期間)には赤身肉が大量に余っていたのです。

「このように『過剰生産』されたタンパク質は、ペットとして飼われていたオオカミにエサとして提供された可能性があります。」と研究チームは論じています

「したがって、数カ月に渡る厳しい冬の間はオオカミと人間は資源をめぐって競争することはなく、お互いの交友関係から利益を得ていたのかもしれません。これは、何年も何世代にもわたって初期の犬を飼う上で重要でした。」

余分な肉をオオカミに与えることで、単純な利害関係で結ばれていたオオカミとの共生が促され、死骸をめぐる親密な関係は最終的に「人類の最も古い親友」になったのでしょう。

オオカミとヒトが友達になるのは意外と簡単だったのかもしれません。

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