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ムール貝を食べるということは『マイクロプラスチックを取り込む』ことと同義

わたし達の身の回りにはプラスチック製品が溢れています。「身の回り」というのは、半径2m以内の範囲だけを指すのではありません。いまや微細化したマイクロプラスチックは空気中を彷徨い、海洋を漂い、食料や水を汚染しています。北極圏の氷からも発見されたことから分かる通り、この小さな驚異から逃れることはできません。

中でも海洋を漂うマイクロプラスチックは、魚介類が広い地域で消費されていることから注目を集めています。魚類プランクトン、そしてカキのような食用貝にはマイクロプラスチックが多く含まれている事がわかっています。

マイクロプラスチックを食べるプランクトン。

そして現在、ドイツ・バイロイト大学の研究チームはムール貝とマイクロプラスチックの関係性に加えて、1つの重大な事実を明らかにしました。

Environmental Pollution(環境汚染)」に掲載された研究によると、世界中の魚介類市場で最もよく売られているムール貝のうち、少なくとも4種にマイクロプラスチックが含まれており、これらを食べている消費者はマイクロプラスチックを体内に取り込んでいる可能性が高いことが示されました。

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わたし達が食べているもの

研究チームは、サンプルとしてムラサキイガイアサリイヨスダレモエギイガイの4種を選択。赤外線分光法(破壊を伴わず、迅速にマイクロプラスチックの検出、種類の特定が可能な手法:FTIR)を用いて調査を行いました。なお、これらの貝類はすべて食品市場で購入されたもので、世界中の様々な海で養殖されたものとのこと。

調査の結果、分析されたすべてサンプルにはマイクロプラスチックが含まれていることが判明。発見されたマイクロプラスチックは9種類にも及び、最も一般的だったのはポリプロピレン(PP)とポリエチレンテレフタレート(PET)という2つのマイクロプラスチックでした。どちらも世界中の人々の生活の中で見られるものです。

研究者は異なるサイズの標本を比較するために1グラム(0.035オンス)のムール貝肉を基準として使用しました。発見されたマイクロプラスチックの大きさは幅広く、5000μmの巨大?なものから3μm程の微細なものまであったそうです。

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ヒトの健康に影響はあるのか

この研究では「マイクロプラスチックが含まれているか否か」に焦点が当てられているため、ムール貝を食すことによる健康被害は評価しておらず、ヒトの健康に与える影響もほとんど理解が進んでいないのが現状です。

ヒトの胎盤からマイクロプラスチックが検出された事例も存在しており、微細な粒子が消化器組織を通り抜けて体の奥深くへと入り込む可能性もあります。

しかし注意していただきたいのは、これらはあくまでも可能性に過ぎないという点です。

WHOはこの根深い問題の調査を行っており、すでに飲料水内に含まれるマイクロプラスチックが健康に悪影響を及ぼしたという証拠はないという結論を出しています。

マイクロプラスチックに関する研究は世界中で進められていますが、サンプルの採取法の違いや異なる分析方が使用されるため、非常に狭い範囲でしか比較が行なえません。

「我々の新しい研究は方法論の点で重要な進歩を表しています。マイクロプラスチック汚染のサンプル調製、測定、分析において、最新の技術と手順を組み合わせることで、今後もこれに基づいて同等の結果を得ることができるようにしました。」

「このような方法論的調和は、環境中のマイクロプラスチックの普及から生まれる可能性のあるリスクを正しく評価し、評価するための不可欠な前提条件です。」と、研究の著者であるクリスチャン・ラフォルシュ教授は締めくくっています。

consultation:IFLscience/Universität Bayreuth