人は「夜が更けるにつれて奇妙な夢を見やすくなる」ことが判明

ビルから落ちる。歯がボロボロと抜け落ちる。大切な誰かに嫌われる。そんな夢を見てパニックになり、飛び起きてから「ああ、ただの夢か……」と安心する。そのようなことは誰しも一度くらい経験したことがあるでしょう。

しかし、何故そのような夢を見るのでしょうか。日頃の行いが悪いのでしょうか。安心してください、理由は他にもあります。

Consciousness and Cognition(意識と認知)に掲載された新しい研究によって、深夜になればなるほど『現実離れしたクレイジーな夢』を見る可能性が高くなることがわかりました。

日常的な夢。非現実的な夢。

夢についてはかなり以前から研究が進められており、特定の睡眠段階による認知プロセスの理解が進んでいます。睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」、2つの種類が存在しています。ノンレム睡眠時にはエピソード記憶など現実に沿った夢を見ますが、レム睡眠時は脳が活発に動くため独創的でクレイジーな夢を見ると考えられています。

しかし睡眠段階の違いとは対象的に、寝る時間帯の違いと夢の内容の関連性はあまり理解が進んでいません。イギリス・イーストロンドン大学ビショップグロッセテステ大学の研究チームは、調査のために学生68人を集め、実験を行いました。なお、被験者の男女比は10対58と女性比率が高く、平均年齢は25歳でした。

実験のために集められた被験者に対し、研究チームは2時間おきにアラームが鳴るようにセットされた目覚まし時計を用意し、一晩で4回被験者を起こしました。目覚めるたびに彼らはデジタルデバイスに話しかけ、自分が見た夢を記録してもらいました。

翌朝、彼らは自身の録音に耳を傾けた後でいくつかの質問フォームを記載しました。質問は例えば、『夢が1~9のスケールでどれほど奇妙だったか』、『それがどれほど強烈であったか』、『自身の体験と関連するものであったか』、『夢の中で自身がどのような感情を抱いていたか』などです。

なお実験は2回行われ、合計8回の目覚めで各被験者が体験した夢は平均5回でした。チームは最初の4時間までを「早晩」、その後の4時間を「深夜」と定義しています。

深夜の脳内は怪奇夢幻

結果は、早晩の夢が自身の生活に関連するものであったのとは対照的に、深夜の夢はより奇妙で、より強烈かつ創造性に富んだものであることを示しました。彼らの精神状態は早晩と深夜で違いはありませんでした。

両者の夢の中身には明確な違いがあります。研究者が提示したいくつかのサンプルの中には、早晩の夢が『ショッピングモールで買い物しているもの』だった一方で、深夜の夢は『ビクトリア朝の服をまとった人とのパーティーで、そこでは時間そのものが踊っていたようだった』といった大きな差があるものも含まれていました。

研究者のジョシー・マリノフスキーとキャロライン・ホートンは論文内で「これらの夢のコンテンツの違いは、睡眠プロセスに伴う記憶の統合、感情処理、創造性などの精神的な変化を反映している可能性がある。」と論じています。

また、コンテンツの違いは睡眠の種類に関連している可能性もあります。レム睡眠とノンレム睡眠では脳の活性状態が異なるため、夢の内容の変化と関係しているのかもしれません。

「これらを総合すると、深夜の夢の奇抜さ、比喩性の増加、時間方向の変動は、深夜の睡眠の認知が早晩よりも流動的になる傾向があることをいくつかの方法で示している。」と、著者らは記しています。

無論、この実験結果はすべての人たちに当てはまるものではありません。本研究は主に一部地域の若い女性の夢を参考にしています。そのため今後、より広範なサンプルプールで同様の実験が行われた場合、異なる調査結果がもたらされるかもしれません。

今後の調査に期待しましょう。

consultation:psychnewsdaily/Consciousness and Cognition