Electigmaについて

約1世紀にわたり未発見となっていた「マンガンを主食とするバクテリア」がとうとう発見される。

カリフォルニア大学の研究者たちは、ついにマンガンをカロリー源としている微生物の発見に成功しました。

このような生物は約1世紀前から存在が予測されていましたが、今まで発見された例はありませんでした。

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私たちの身の回りには多くの微生物が生息しています。

動物の体内に生息するものから火山や温泉、深海や山頂までその好みは様々ですが、その中には金属の上で生活しているものが存在し、それらは鉄酸化細菌と呼ばれています。

19世紀に発見されたこの細菌たちは、近代化に伴う鉄需要の増加に比例して注目を集め、数多くのバクテリアが発見されてきました。

しかしながら、マンガンをカロリー源とするバクテリアは一向に発見されませんでした。マンガンは地表で最も豊富な元素であるにもかかわらずです。

「マンガンが何かしらの要因で酸化し、水道管を詰まらせるといった報告がいくつか上がっていました。」と、研究著者であるリードベッター氏は言います。

「多くの科学者たちは、マンガンをエネルギーに変換できるバクテリアが原因ではないかと考えてきたが、この考えを裏付ける証拠は今までなかった。」

しかし、1世紀にわたり科学者を悩ませてきた”証拠”は思わぬ方向から転がり込んでくることとなります。

その日、リードヘッダー氏は軽いチョークのような形態のマンガンを使用した無関係の実験を行っていました。

この実験の結果は定かではありませんが、彼はその後、数カ月間キャンパス外で活動する予定があったため出発する前に実験で汚れたガラス瓶を水道水に浸しておきました。すると彼が戻ると瓶は表面が黒い物質で覆われていたのです。

「”これは一体何なんだ”と思った。」と彼は語っています。

調査の結果、瓶をコーティングしていたのは「酸化マンガン」であることが判明しました。

鉄酸化細菌は「Fe2」を「Fe3」に酸化させることでエネルギーを生み出しています。これと同じ理論が当てはまるならば「マンガン」が「酸化マンガン」に変化したこの瓶の中にいるのは「マンガンをエサにできる微生物」ということになります。

チームによって誤ったカラー化を施されたマンガン酸化物。画像は走査型電子顕微鏡写真でとられたもの。credit : Hang Yu / Caltech

今回の発見は地下水の酸化・還元メカニズムを説明するのに利用できる可能性があります。

バクテリアは地下水の汚染物質を分解し、その際にいくつかの種が酸化マンガンを還元し電子を生み出していることが知られていましたが、肝心の酸化マンガンの出どころが不明となっていました。

また研究著者の1人であるユウ氏は、海底にあるレアメタルの採掘に利用できる可能性を示唆し、「これは、海洋マンガン結節が採掘によって破壊される前に、海洋マンガン結節をよりよく理解する必要性を強調しています。」と述べました。

この研究はnatureに掲載されました。

参照:カリフォルニア工科大学