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海底を歩く珍魚「ハンドフィッシュ」の1種が正式に絶滅認定される。

2020年3月、国際自然保護連合(IUCN)はハンドフィッシュの1種である「Sympterichthys unipennis」が絶滅したと宣言しました。

今回の絶滅は「現代初の絶滅」であり、”海洋魚は現在の住処を追われたとしても、すぐに新しい住処を見つける”という理論に大きな打撃を与えるものです。

絶滅した「Sympterichthys unipennis」、この標本はオーストラリア国立博物館に保管された唯一のもの。credit : CSIRO

ハンドフィッシュはタスマニア沖の海底に生息している14の異なる種を含んだ底生生物です。

彼らは浮き袋を持っていないため、他の魚のように泳ぐことができません。手のように見えるヒレを使用して海底を”歩いて”います。

それ故に機動力が極めて低く、採餌ができないため頭のてっぺんについた提灯を疑似餌として獲物を誘導します。

fauna floraを執筆したダニエル・ステッドマンは「混獲や生息地の破壊」が絶滅の原因であると著述しています。

ハンドフィッシュの生息地では1967年頃まで大規模なホタテの乱獲が行われていました。この過剰な採取に巻き込まれたことで、多くの種が絶滅ギリギリまで個体数を減らすこととなります。

さらに、そこに「堆積物の増加と石油採掘」による生息地の減少が追い打ちをかけたことで「Sympterichthys unipennis」は約2世紀にわたって人前に姿を見せなくなりました。

しかし、希望が残っていないわけではありません。

タスマニア大学のジェミマ・スチュアート=スミス博士は「ハンドフィッシュはダイバーも行かないような深海を好むため、絶滅していない可能性はある」と語っています。

ハンドフィッシュは残り13種となりましたが、その内3種はいまだ絶滅の危機に瀕しています。レッドハンドフィッシュに至っては成魚が100匹ほどしか確認されていません。

私達が彼らに少しでも興味を持つことが保全へとつながる第一歩となるでしょう。

参照:phys / iflscience