境界性パーソナリティ障害(BPD)は不安定な思考や行動、それに伴う衝動的な自己破壊行為などを特徴とする障害です。
この障害を持つ人は「コミュニケーションが上手く取れない」ことや「精神病症状」など対人関係に悩みを抱えることが多いですが、それを愛らしさと感じる男性もいるようです。
新しい研究により、身体的魅力のある女性であれば、多くの男性がこの障害をもつ人の虜となることが判明しました。

研究著者のアリソン・ブランチャード氏によると、この研究は2014年頃ににyoutubeで公開された「ホットクレイジーマトリックス」に触発されたもの。
このビデオは「Crazy(狂気度)」と「Hot(魅力)」を相関図にまとめたもので、男性は女性とどのようにして対処するべきかということをまとめた動画で、世界中から大きな反響がありました。
「不器用でコミカルな内容にも関わらず何故ここまで注目を集めたのか、この内容はほとんどの人が共感できるものなのかが気になった。」と彼女は語っています。

そこで、チームは525名のボランティアに調査を実施。参加者は異性の「顔、人格に異常があるかどうか(BDP特性テスト)、その人の資産価値」などを組み合わせたプロファイルを提示された後、その人と恋愛関係になりたいと思う度合いを訪ねられました。
すると、女性の場合は男性と付き合う基準は「人格と資金力」であり、顔の評価が低くとも精神的な安定とお金を持っている人を重要視する傾向にありました。
一方で、男性の場合、女性と付き合う際に重要視する点は「外見の美しさ」であり、資金力に乏しかったり、人格に多少問題があったとしても魅力を感じることが判明しました。
これは以前の研究で見られた「障害を持つ女性と男性の間にある恋愛関係の差」を説明するのに役立ちます。
チームの分析では、男性は障害を持つ女性が魅力的である場合、は「刺激的」な女性と捉えているとのこと。ただし、必ずしも男性がその人と何十年も一緒にいるところを想像しているわけではないことを付け加えています。
さらに、ブランチャード氏は進化の過程でこれらの障害が残ったのは、「潜在的なパートナーを見つけ出すため」なのかもしれないとも語りました。
この研究はPersonality and Individual Differencesに掲載されました。
参照:Inverse