マダガスカルで発掘された約2億3700万年前の標本から「体長10センチほどの小型爬虫類」が発見されました。
この動物は「恐竜」と「翼竜」の分岐点に非常に近く、共通の祖先ではないかと推察されています。
恐竜や翼竜はその「スケールのデカさ」で知られています。
しかし、彼らも最初から巨大であったわけではありません。理論上、進化の途を遡ればいずれ「小型の共通祖先」にたどり着くはずです。
にもかかわらず、彼らのグループの祖先はあまり発見されておらず、その起源はよくわかっていませんでした。
そんな中発見された今回の動物は、体長わずか10センチほどにも関わらず、彼らの共通祖先種に位置する「鳥頸類(Ornithodira)」に属してることが調査の結果判明しました。「マダガスカル南西部にある化石サイトは、世界的にもあまり知られていない時期のもので、驚くべき化石を産み出してきましたが、この小さな標本は、長年にわたってこのサイトから収集した何百もの化石の中に紛れ込んでいました。」
「これらの骨に焦点を当てるまでには時間がかかりましたが、一度焦点を当ててみると、ユニークでじっくり見る価値のあるものがあることは明らかでした。」
アメリカ自然史博物館学芸員ジョン・フリン氏

今回発見された動物は「小さな虫退治屋」を意味する「Kongonaphon kely」と名付けられ、脊椎動物の歴史の認識を向上させるための鍵となるかもしれません。
「Kongonaphon kely」は鳥頸類の根本に相当する最初の生物ではありませんが、以前このような小さな標本は「例外的に生まれた存在」だとして見逃されていた可能性を研究者は指摘しています。
「”Kongonaphon”の発見により、鳥類の初期の進化について私達に遥かに良い認識を与えてくれました。」
「古竜の進化全体を通しての体の大きさの変化を分析したところ、恐竜-翼竜系の初期時代に体長が急速に縮んでいたという証拠を発見しました。」
元アメリカ自然史博物館所属クリスチャン・カーメラー氏

チームは標本を詳細に分析し、この「虫退治屋」の歯に摩耗の痕跡があることを確認しました。この傷は昆虫を主食としていたことを意味しており、チームは「ある種の退化によって既存の恐竜と争わないようなった結果、生存することが出来たのではないか」と推測しています。
この研究はPNASに掲載されました。 参照:sciencealert / AMNH