新たなスパイの手口?「電球を観察」することで相手の会話を盗み聞きできることが発表される

盗聴に関連する技術は年々、確実に成長しています。

東西冷戦時代、すでに鉛筆よりも小型の盗聴器が開発されていたにも関わらず、更に薄くなったタイプや窓ガラスにレーザーを照射して室内の会話を傍受するものさえ登場しました。

そして今回、イスラエルのネゲヴ・ベン=グリオン大学とワイツマン科学研究所の共同研究チームは遠く離れた位置から電球の振動を観測することで室内の会話と盗聴できると発表しました。

25メートルの距離でも盗聴に成功

「Lamphone」と名付けられたシステムは望遠鏡と光学センサー、解析のためのノートPCを使ってリアルタイムで盗聴を行うことが出来ます。

設備に必要なコストは約1000ドル(10万円)ほどであり、比較的入手しやすいと言えるでしょう。

ナッシ氏らの研究チームが行った実験では対象から25メートル離れた位置に望遠鏡を設置し、望遠鏡の接眼レンズに電子光学センサー「PDA100A2」を取り付けて電球に向けました。

次に、センサーが電球から得た振動をデジタルデータに変換し、もとに音声データを復元します。

なお、今回の実験では歩道橋から3階のオフィスを盗聴できるかを検証しています。

credit : nassiben / youtube

この実験の結果、部屋の中で流していたcoldplayの「Clocks」やトランプ大統領のスピーチの一部を盗聴することに成功しました。さらにこれらの音源を聞き取れるまでの音質に復元することに成功しました。

その他のサンプルはこちらから聞くことが出来ます。

credit : nassiben

しかし完全無欠ではない

既存の盗聴方法と同じく「Lamphone」にも欠点が存在します。

まず、これまでの実験で盗聴が成功しているのは「吊り下げ式の電球」だけであり、壁や天井に固定された電球から音を復元できるかどうかは未検証です。

さらに、サンプルとして使用された音声と音楽は最大音量で流されたものであり、実際の会話よりも音量が大きいものだったとしています。

しかし、研究チームはこれらの「弱点」は使用する機材を効果なものに変更することで克服することができるかもしれないとしています。

これはこの種のスパイによる攻撃の最初の試みに過ぎません。

「Lamphone」とそれに関連するデバイスは時間の経過にしたがって高性能化していくでしょう。

それとともに私達自身もこのような悪意に抗うための対策を講じる必要があるでしょう。

研究チームは盗聴する方法とそれを阻止する方法を同時に検証しています。

参照:wired / nassiben