鉄器時代の初期(1700年前)に作られた古墳の中から古代の人々が使用していたボードゲームが発見されました。このゲームは現代で言うところのチェスやドラフト、バックギャモンに近いものだったと考えられています。

この重要な発見はノルウェー西部にあるイトレ・フォッセ遺跡の発掘中に行われました。彼らは石で作られた古墳の中から4つのほぼ完全にサイコロと18個のゲームの駒を発見しました。残念ながらゲームボードは未だ見つかっていません。

サイコロは点と形で数字が表されており、値は0、3、4、5です。完全な状態のサイコロが見つかるのは非常に稀であり、現在までにこのようなサイコロは15個未満のみが発見されています。
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高い地位のシンボル?
この古墳から発見されたのはゲームだけではありません。骨の破片、美しく装飾された陶器、焼けたガラス、青銅製の針なども同じ古墳から見つかったことから、ここに埋葬されている人物は社会的に重要な地位にいたことが示唆されています。
このプロジェクトの主任考古学者であるモーテン・ラムスタッド氏は「これらはローマ帝国との繋がりを示すステータスオブジェクトです。このようなゲームを行えるのは地元の貴族や上流階級だけであり、時間、利益、戦略的に考える能力があることが伺えます。」と語りました。
さらにラムスタッド氏は、この古墳がかつての重要な交易ルートの近くに位置していることから、古墳の中の人物は商人などから通行料などを取ることで財を成したのではないかと推測しています。
残念なことにサイコロと一緒にルールブックが見つからなかったため1700年前のゲームがどのようなものだったのかを完璧に知ることは不可能となっています。
しかし、初期のギリシャのボードゲームと似ていることから、このゲームは現代で言うところのチェスのような2人でプレイするゲームではないかと言われています。
さらにスミソニアン誌によると、これは古代ローマで人気のあった「傭兵ゲーム」(Ludus latrunculorum)に触発されたものであり、自陣の王を聖域に連れて行くことが勝利条件であるとしています。 参照:スミソニアン誌 / NRK