自由落下原理の普遍性とは「重力によって自由落下する物体は質量に関わらず全く同じ加速を受ける」というものです。
これは、かの有名なガリレオ・ガリレイがピサの斜塔から質量の異なる物体を落としたことで証明したものでアインシュタインの一般相対性理論の基礎にも組み込まれています。
このアイディアは極端な環境下で検証が繰り返されてきましたが、今回、崩壊する3つの星がこの理論の正しさを支持してくれました。
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宇宙でも証明
これまで幾度となく検証を繰り返してきたと書きましたが、それはあくまでも「地球上」での話です。
暗黒物質とダークマターが支配する宇宙空間においてこの理論が適応されるのかという難問を物理学者たちは抱え続けていました。
そこでマンチェスター大学のギヨーム・ヴォイザン氏率いる研究チームは「PSR J0337 + 1715」と他2つの星から構成される三連星を正確に観測しました。
このシステムは4,200光年の距離にあり、白色矮星が1.6日ごとに公転している中性子星で構成されており、このペアは327日ごとに2番目の白色矮星を周回しています。
興味深いことに、このペアは3番目の星に向けて「落下」(軌道)し続けています。このペアの落下速度を測定することで一般相対性理論を証明することが出来ます。(中性子星と白色矮星は質量が違う)

credit; マンチェスター大学
この極めてスケールの大きい検証に一部の科学者たちは一般相対性理論が通常のように動作しないのではないかと考えました。
しかし、チームは6年間に渡って3つ星の位置をナノ秒まで追跡した結果、白色矮星と「PSR J0337 + 1715」が全く同じペースで第三の惑星に引き寄せられていることを発見しました。 これは地球からはるかに離れた宇宙においても地球と同じ理論が適応されることを意味しています。
この研究はAstronomy and Astrophysicsに掲載されました。 参照:iflscience / マンチェスター大学