世の中には多くの小説があります。致死性のウイルスが蔓延した世界を描いたものからゾンビ、エイリアンの侵略、同じ人間同士の争いを記したものまで様々ですが、トイレットペーパーが世界中で致命的に枯渇するというSFはそうそうあるものではありません。
各国政府の「パニック買い」を自粛するように呼びかけたのにも関わらず、一部の企業はトイレットペーパーの売上が最大で700%増加したことを報告しました。
しかし、なぜ人々は剃刀やゴミ袋などではなくトイレットペーパーを買い占めたのでしょうか?
性格調査を実施した本研究は、パンデミック中に買い占めを行った人々に共通したいくつかの特徴を導き出しました。

備蓄する人、しない人
未知のウイルスによるパンデミックに直面し、感染者数と死者数が増加していく中で多くの人たちは保存の効く食品や必要な分のマスクなどの買い、不要不急の外出を避けるなど考えうる限り最善を尽くしました。
しかし、一部の人にとってそれは不要なものまで備蓄することを意味していました。それにより世界中でトイレットペーパーが買い占められるなど誰も想像できなかったことでしょう。

その結果、3つの重要な要素が明らかとなりました。
まず1つ目は、COVID-19をより脅威とみなした人は、よりトイレットペーパーを備蓄する可能性が高いことがわかりました。
また、感情的な人、具体的には多くのことを心配したり不安を感じたりする傾向がある人は買い占めにはしる可能性が高いです。
さらに、完全主義、慎重、組織性を含む「良心的」な性格の一部も関連があることが示されました。
その他の観察では「高齢者は若者と比較して買い占めする傾向にある」ことや「アメリカ人はヨーロッパ人より多く備蓄した」などの特徴も導き出されました。
現在、コロナウイルスは依然として猛威を奮っていますが需要に供給が追いついたことで「トイレットペーパーバブル」は収束しました。
ですが今年はまだ半分を過ぎたばかりです。来月になったらバイオハザードが起こるかもしれません。来々月にはエイリアンが侵略してくるかもしれません。そうなればまたトイレットペーパーが店先から消える可能性もあるでしょう。
参照:sciencealert / plos one