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「人工冬眠」を誘導する神経をマウスで発見、人間も冬眠できるかも!!

nature誌に掲載された研究によって、本来冬眠をするはずのないマウスを人工的に冬眠へ導く脳神経を発見したことが明らかとなりました。

これによりマウスと同じ哺乳類であるヒトも冬眠をすることができる可能性があります。

冬眠のような状態のマウスモデルは、代謝と体温を大幅に低下させました。 筑波大学撮影
左が通常のマウス、右が人工的に冬眠状態へ移行したマウス。 credit : UPI 筑波大学 / 国際統合睡眠医科学研究機構

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どうやって冬眠させているのか

捕食できる生物が少なく、寒さが厳しい冬季を乗り越えるために動物や爬虫類たちはしばしば「冬眠(冬ごもり)」を選択します。

彼らは土の潜り、洞窟に身を寄せ、体力を極力消耗しないようにしながら冬を越します。

しかし、冬眠は単純に長い睡眠というわけではありません。期間中、動物は体温と代謝を下げ、心拍数と呼吸を遅くすることで「仮死状態」へ移行します。

この手法は体長5センチメートルにも満たないコウモリから数メートルにもなるクマまで幅広く利用されていおり、活動を再開すると、体重の減少が見られる以外はいたって健康であることも特徴と言えるでしょう。

この「ある種制御された生態活動」をマウスは行なえません。しかし、本研究ではマウス視床下部の一部に存在する神経細胞「QRFP(ピログルタミル化RFアミドペプチド)」を刺激したところ、マウスが48時間に渡って冬眠に近い状態が続き、代謝と体温が低下することを発見しました。

チームはこの神経を「Q神経」と名付けました。

credit : Unsplash

Q神経を刺激されたマウスは活動、摂食をほとんど取らなくなり体温の著しい低下が見られたことから、冬眠に極めて近い状態であるとされました。冬眠したマウスは覚醒した後も目立った影響は見られませんでした。

さらに、同様の実験をマウスの10倍の体積を持ったラットで実験したところ、マウスと同じような体温と代謝の著しい低下が確認されました。このことからこの手法が本来冬眠をしない動物にも応用できる可能性が示唆されました。

研究チームの一人砂川弦四郎氏は「人は動物と同じ理由で冬眠したくないかもしれない。しかし、緊急輸送中や、重度の肺炎のように重篤な肺疾患のように酸素をうまく供給できない場合などに、人々を一時停止のアニメーションにしたいという医学的な理由があります。」と語りました。

人間を冬眠させる可能性を推察するのはとても愉快なことだが、この発見はまだ人間に適応されていないことを考慮する必要があるでしょう。

さらに研究者は、この技術は根本的な治療ではなく、あくまでも延命処置であるとした上で、大怪我を負い衰弱した人の命を救うことができるかもしれないとしています。研究はまだ始まったばかりです。

この研究は2020年6月10日付けでnatureに掲載されました。

参照:筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構 / UPI