サメは映画などの影響により「人間を襲うモンスター」といったイメージが定着していますが、それは少し違います。
実はサメは臆病な生き物であり、ヒトが多くいる海水浴場に出没したとしてもヒトを優先的に襲うなどということはありません。そのため、彼らの主食は人肉などではないと断言することが出来ます。
では、彼らは普段、一体何を食べているのでしょう?
研究チームは40匹のサメの胃の内容物を調べることで、サメの食事とどの付近で狩りをしているのかを明らかにしました。

どのサメ?
一口に「サメの食事」と言ってもその種類は様々です。
例えばジンベイザメはオキアミやプランクトンなどを優先的に食べますが、イタチザメなどウミガメやイカなどを食べています。
本研究ではスティーヴン・スピルバーグ監督の映画「ジョーズ」のモデルにもなった「ホホジロザメ」に焦点を当て、実際に何を食べているのかを調査しました。
なお、この研究は日曜日に起きた悲惨な事故の以前に執筆され配布されたものです。
果たして結果は…
サメの胃の内容物の分析の結果、主に次の魚たちを捕食していることが明らかになりました。
・オーストラリアのサケのような遠洋、または中流域の海洋遊泳魚:32.2%
・底生魚、スターゲイザー、ヒラメやヒラメなど:17.4%
・イースタンブルーグロッパーなどのサンゴ礁に住む魚:5.0%
・アカエイなどの魚類 :14.9%
調査結果から、以前は「イカなどの頭足類を主に食べている」と考えられていましたが、実はそれほど頻繁に食べているわけではないと判明しました。
さらに、サメの食事メニューの中にはヒラメなどの海底に生息している魚が多く含まれていたことから、サメは海底でも獲物を探していることが示唆されました。
「海面に背びれを出すような私達が考えているステレオタイプの狩りは、おそらくあまり主流ではない」と論文執筆者のリチャードグレインジャー氏は語っています。
また、捉えられたサメの胃袋にはウナギ、スターゲイザー(海で最も醜い魚かもしれない)、ヒラメ、そしてエイが含まれていましたが、これらの魚類は泳ぐスピードが早いため、「非常に野心的なおやつ」であるとしています。

サメは普段は沖合に生息しており、滅多に人間と遭遇することがないため不明な点が多く、研究が盛んに行われています。その中でも本研究はホオジロザメの食事に焦点を当てた史上初の詳細な研究となりました。
しかし、この研究は比較的小型のサメを調査したものであり、他のサメやイルカなどがホホジロザメの食生活を支えている可能性は高いと考えられているが、この研究では取り上げていません。サメは通常体長2メートルを超えてから本格的な狩りを開始します。
この調査結果は、人間がサメの生態を理解するための貴重な情報を提供し、種の保存のために役立つことでしょう。
参照:iflscience / シドニー大学 / シロザメ(Carcharodon carcharias)の食餌構成と栄養ニッチ幅変動