Electigmaについて

ビールの苦味成分には認知能力を改善する効果があることが判明

認知症と加齢による認知能力の低下は高齢化の進む日本国内で大きな社会問題となっています。

これらの病には根本的な治療方法はありませんが、認知能力が低下した高齢者へ早期に介入することで、ある程度遅延することが可能であると報告されているため、現在は発症を遅らせることに対策の重点が置かれているようです。

しかし、外界から孤立した場所に住む高齢者や頼れる人の少ない高齢者もいるでしょう。そんな方々はビールを飲むことで認知症を防止できるかもしれません。

新しい研究はビールの苦味成分であるホップ苦味酸が認知機能やストレス状態を改善することを示しました。

以前にも、適度なアルコールの摂取は認知能力の改善に効果的であるとする研究はいくつかありました。赤ワインに含まれるポリフェノールの1種、レスベラトロールは動物と人間双峰の認知能力を改善するとされ、ビールに含まれる苦味成分が脳や腸を活性化させ、アルツハイマー病を予防することも非臨床試験で示されています。

しかし、ホップ苦味成分が人間の認知能力に与える影響は十分に解明されていませんでした。

そこでこの研究では健全な中高齢者100人を対象とし、50人のグループに分け、無作為にホップ苦味酸もしくは効果のない成分の入ったカプセルを摂取させました。

摂取は12週間にわたって行われ、摂取0周目と摂取12周目に検査を行い、注意力の改善、認知能力、主観的な気分、ストレスレベルを評価しました。

さらに、参加者は認知機能に影響を与える可能性のある薬物やサプリメントの使用を避けるように指示されています。

実験の結果、ビールに含まれる苦味成分であるホップ苦味酸に認知機能や注意力、ストレス状態を改善する能力があることが判明しました。

有効性のない薬を摂取したグループも一部では改善を示しましたが、ホップ苦味酸を摂取したグループほどの改善は見られませんでした。

図1
研究より示されたホップ苦味酸による認知機能および気分状態改善。credit : 順天堂大学

この研究の応用範囲は広く、ホップ苦味酸による認知機能改善効果が確認されたことで、ホップ苦味酸を含んだノンアルコールビールやサプリメントを毎日の食事に取り入れることで日常から認知能力の低下を抑えるられる可能性も示唆されています。

研究者らは今後、作用機序解明や軽症アルツハイマー病患者を対象とした調査を進めるとしています。

参照:順天堂大学 / IOSpress