食糧難に陥った恐竜が「共食い」を行っていたという証拠が発見される

自分たちと同じ種族を食すことは我々ホモ・サピエンスにとって嫌悪感を示すものでしょう。しかし、野生生物にとってはそこまで珍しいものではありません。

カマキリは生殖行動中に雌がオスを捕食し、ホッキョクグマは血のつながらない他個体を共食いすることがかねてから知られています。

新しい研究は、1億5000万年前の太古の地球に暮らした恐竜たちもそれと同じことをしていたことが示唆されました。

乾燥した死骸を巡って争うアロサウルスとケラトサウルス。credit : Brian Engh

恐竜の歯型はレア?

Tレックスやヴェロキラプトルなどの有名な肉食恐竜は獲物を襲う際に派手に噛みつき、多くの歯型を残しているように思えますが、恐竜の歯型が発見されることは稀です。

以前の研究では、歯型が刻まれた恐竜の化石は全体の4%以下だと言われており、これは哺乳類の骨格に歯型がついている予想頻度13.1〜37.5%よりもかなり低い数値です。

これらの数値は肉食恐竜が栄養価の高い筋肉繊維や内臓を好む傾向にあり、骨格にはあまり関心を持たないのに対し、哺乳類が骨も栄養源としていたことを示しており、恐竜と哺乳類の摂食戦略が根本的に異なる例としてしばしば利用されます。

しかし、米国コロラド州のミガット・ムーア採石場(MMQ)から発掘された化石にはアロサウルスなどの獣脚類によってつけられた歯型が異常な密度で検出されました。これは以前に考えられていた摂食戦略とは真逆の結果です。

誰が歯型をつけた?

米国の複数の大学はこの歯型を識別し、どの属によってつけられたものなのか追跡しました。

チームがその地域から発掘された2,368の化石を綿密に調査した結果、その多くが採石場で発見された一般的な獣脚類であるアロサウルスかケラトサウルスによってつけられたものであることが判明しました。

ほとんどの傷は草食恐竜の骨から発見されましたが、一部の傷は獣脚類が他の獣脚類を攻撃した際についたものと判断されました。

credit : Plosone/Stephanie K. Drumheller et al

興味深いことにこれらの歯型の約半数は栄養価の低い骨格の部分にありました。一般的に捕食者は最も簡単に利用できる食料資源を利用することを考えると、これは食料の調達が難しい時期(乾季、冬季)にわずかでも栄養を摂取しようとした行動であると研究チームは結論づけました。

共食いを含んだ大型肉食動物間の清掃行為(ハイエナなど)は現代でも一般的ですが化石の記録でそれが証明することは非常に稀です。

また、この研究はアロサウルスやケラトサウルスの間で共食いが存在したという最初の証拠となる可能性があります。

「アロサウルスのような大型の双足類は、特に資源が不足している環境であれば、あまり好んで食べることはなかったでしょう。」と、テネシー大学のステファニードラムヘラー氏は語りました。

「物漁りや共食いさえも 考慮に入れていたことでしょう。」

参照:sciencealert / Plosone