ゲームプレイをたった4日間観察しただけでパックマンを再現したAIが現れる

「パックマン」が日本で初めてアーケードゲームに登場し、世界的な名作となる道を歩んでから今年で40年が立ちました。現在、このレトロな名作はAIの手によって生まれ変わりました。

credit : nvidia / youtube

見るだけで全てを理解できる人工知能「GameGAN」

Nvidia社が開発したこの強力なAI「GameGAN」は50,000本のプレイ動画とそれに付随するコントローラの入力データに基づいてトレーニングされており、ゲームを作るときの基礎となるゲームエンジンがなくともプレイ可能なゲームを再現することができます。

この際に、難解なレタリングやコーディングは必要ありません。AIは前述したプレイヤーの行動を吸収、学習し、シミュレーションのみでプレイ可能なゲームを再現するコードを出力することが出来ます。

彼らはどのようにしてAIがプレイ動画を初めて視聴してからわずか4日で再現したかYoutube上で示し、もっと多くのゲームプレイ動画(パックマンに限らず)を学習させれば、誰も見たことのない全く新しいゲームステージを構築することも可能であると語りました。

出来上がったゲームは誰でもプレイ可能で、Nvidiaによると近日中にオンラインで公開されるとのこと。

しかし、完全ではない…

AIは50,000本のゲームプレイを観察し、学習とシミュレーションを繰り返しながら「パックマンが壁を通り抜けられないこと」、「幽霊がパックマンを追いかけてくること」、「幽霊に当たるとゲームが終了すること」、「パワーペレットを食べることで幽霊を食べれるようになること」を理解していきました。

その結果、ゲームシステムの自体は完成度は非常に高いものとなりましたが人工知能特有の非常に特殊な欠点も抱えています。

その内の1つに、「AIがパックマンの死を学習できなかった」ことが挙げられます。

前述したようにAIの学習には多くの情報を必要とします。それら全てを人間から集めることは現実的ではなかったため、研究者は別のAIを使用してデータを収集しました。

しかし、ゲームをプレイしたAIのレベルが高すぎたため、パックマンが死ぬことはほとんどありませんでした。

そのため、初期のGameGANは死亡したというデータを上手く処理することが出来ず、ステージの構築を変更したり、敵キャラの移動速度を遅くしたため、パックマンに追いつけずその後ろをアヒルの子供のように追従するなど奇妙な振る舞いを見せました。

ゲーム以外にも応用可能

人工知能や自立型ロボットは通常、シミュレーターで訓練され、現実世界で活動する前にその環境を学習することが出来ます。しかし、シミュレーターの作成は時間のかかる作業であり、世界のルールを一つ一つコーディングしていかなくてはなりません。

しかし、今回使用されたGameGANはこのような骨の折れる作業をニューラルネットワークを訓練するだけの作業に置き換わる可能性を示しています。

「結局、ビデオを見たり、環境の中でエージェントが行動を起こすのを見たりするだけで、運転の規則や物理法則を模倣できるAIを作ることができるでしょう。GameGANはそのための最初のステップです。」と、Nvidiaのフィドラー氏は語りました。

参照:Nvidia / The Verge / polygon