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氷河の後退により、バイキングが活躍した時代のオブジェクトが大量に発見される。

気候変動が氷河の融解を引き起こしたことにより、2000年以上前の古代の遺跡が明らかとなりました。

運悪くおいていかれた馬。credit: Espen Finstad / secretsoftheice.com / Secrets Of The Ice

ノルウェー、スカンジナビアの氷河は1000年間以上凍結され、毎年新しい層が形成されていくごとに成長していきました。

しかし、過去20年でこの地を覆う気候は次第に暑くなり、氷はゆっくりと確実に溶け始めました。

氷河の後退は悪い事のように思うかもしれませんが、驚いたことに考古学に大きな恩恵をもたらしました。スカンジナビアの氷河が後退するにつれ、その下に眠っていた1000年以上前の宝の山が現れたのです。

発見されたオブジェクトを注意深く調査した後、考古学者はこの地がただの峠ではなく、バイキング時代の移動に非常に重要な役割を果たしており、このルートが長距離貿易や人身売買などで賑わっていたことを明らかにしました。

この遠い過去の遺物の中には、ウールで織られたチュニック、革の靴、巨大な石のケアンズ、馬用のシュノーシュー、複数の枝、骨、角、馬の糞なども発見されています。

峠で見つかった青い色の織物布。
峠で見つかった青い色の織物布。credit: secretsoftheice.com / Secrets Of The Ice

全てのオブジェクトが調査、研究されたわけではありませんが、コレまで発見された異物に対して行われた放射性炭素年代測定は、この地が紀元300~1500年まで使用されていたことを示唆しており、この地が地域間、及び地域内コミュニケーションに大きな役割を果たしたという仮説を裏付けています。

長年にわたり、この地域ではいくつかの遺物が発見されていました。1974年にはバイキングの時代の鉄製の槍が発見され、この地の考古学的重要性が明らかとなりました。

さらに、2011年の夏は非常に暖かく、多くの氷が溶けたため、大量のオブジェクトが暴露されました。この千載一遇の機会を考古学者たちが見逃すはずもなく、新たに露出した遺物を収集し、カタログ化しました。

木製の泡立て器。
木製の泡立て器。それはおそらくそのような泡立て器がほとんど指摘されなかったのでテント止め釘として二次的に使用されました。credit: secretsoftheice.com / Secrets Of The Ice

考古学者にとっては幸いなことにこの必死のフィールドワークは始まりに過ぎませんでした。氷河はその後何年にも渡って溶け続け、多くのオブジェクトが現れました。この地域では2011年から2016年、さらに2018年と2019年に調査を実施し、多くの成果を持ち帰っています。

「レンドブリーンの範囲は250000 m2にも達し、これはサッカーコート35面分に相当します。ただし、これらのサッカー場は30度の斜面にあり、競技場は緩いがれ、岩盤、氷の組み合わせです。私たちの知る限り、これはこれまでに行われた最大の氷河考古学調査です。」と、チームは論文に書いています。

氷河は風化によって失われてしまうはずの有機物を保護します。革、毛、骨、木、果ては排泄物に至るまで完璧に近い状態で残し、今後何世紀にも渡ってこの地で起きたことを垣間見ることができます。

かつてレンドブリーンを覆っていた氷はおそらく全て溶けています。今後は夏になればフィールドワークが比較的容易に行える可能性が高いです。しかし、やるべきことは他にもあります。他の場所の氷も溶け始めたのです。

「2019年にレンドブレーンでの仕事を終えた直後、尾根のさらに西側の峠で溶岩が溶け始めました。」と、研究者は語りました。

「冬の雪が降る前の最終日の簡単な調査で、私たちはなんとかここで鉄器時代の靴と葉の飼料を回収しました。来てもっとあります。」

参照:sciencealert/ Secrets Of The Ice