宇宙の始まりと言われているビッグバンからわずか9億年後、宇宙の初期の銀河にはすでに太陽の10億倍の大きさのブラックホールがありました。
そのブラックホールは大量のイオン化ガスを吸い込み、銀河系のエンジン(ブラザーと呼ばれている)を形成し、宇宙に超高温ジェットを吹き飛ばしました。その光は120億年以上たった今でも観測することが出来ます。
Phys.orgに掲載された報告によるとこのブラックホールは、イタリア国立天体物理研究所(INAF)のシルビアベラディッタが率いる研究者チームによって発見されました。研究者は宇宙望遠鏡や大型双眼望遠鏡を用いた観測の結果、これを既知の宇宙で最も遠い、記録破りの遠方の危険として確認しました。 「私たちの発見のおかげで、宇宙の生命の最初の10億年間に、強力な相対論的ジェットを放出する非常に大きなブラックホールが多数存在したと言えます」と、インサブリア大学の主任研究者シルビアベラディッタは声明で述べました。ベラディッタと彼女の共著者による発見は最初の星と銀河が形成され始めたビッグバン後の長い暗黒時代の後の期間である「再イオン化」として知られる私たちの宇宙の歴史の時代にブラザーが存在したことを示しています。
そして他にもブラザーと同規模のブラックホールが存在していることを強く示唆していると著者は書いています。仮に複数あった場合、その内の1つのジェットが偶然地球へ向いた可能性は十分にあったでしょう。
「ブラザーを観察することは非常に重要です」と、ベラディッタ氏は語りました。「ブラザーを観察することは非常に重要です。このタイプの発見されたすべてのソースについて、100個の類似物がなければならないことを知っていますが、ほとんどが異なる方向であり、したがって直接見るには弱すぎます」「開発中のこれらの新しいLBTの観測から、PSO J0309 + 27を駆動する中央エンジンは、太陽の質量の約10億倍に等しい質量を持つブラックホールであると推定しています。 私たちの発見のおかげで、宇宙の生命の最初の10億年間に、強力な相対論的ジェットを放出する非常に大きなブラックホールが多数存在したと言えます。 この結果は、私たちの宇宙におけるこれらの巨大なブラックホールの起源を説明しようとする理論モデルに厳しい制約を課します」とべレディッタ氏は締めくくりました。
