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ネズミにも人間と同じように「他人に共感する」能力が備わっていることが判明。

他者への共感、感情移入は他人を思いやる行動の動機づけに大きく貢献しています。しかし、そのような神経基盤と害への嫌悪の進化はあまり研究されていません。今回の研究はそれらに関連する分野を切り開くかもしれません。

カレント・バイオロジーに掲載された報告によると仲間に危害が及ぶ行動を避けることが示され、ネズミの共感能力の高さを示す証拠がまた1つ加わることとなりました。

これまでこのような共感能力を持っているのは人間などの大型哺乳類のみであり、他の動物は自身の生存のみを考える利己的な生物だと考えられてきました。彼等は自分の子孫のことは気にしますが、他の子供は気にしません。

研究者はこの考えが真実であるかを検証するためにマウスを用いて実験をしました。

オランダ国立神経科学研究所(NIN)によって行われた研究によると、研究チームは2つのカゴを隣接させ、それぞれのカゴにネズミを入れました。そして、片方のカゴに2つのレバーを用意し、どちらか片方のレバーを押すとおやつを得られる仕掛けを作りました。そして、2つのレバーのうち、特定のレバーを押すとおやつがもらえるとネズミが学習した後、科学者はネズミがおやつの出るレバーを押すと隣のカゴの床に微弱な電気ショックが流れるように配線し直しました。

ショックを受けた片方のネズミは鳴き声を上げることで抗議しました。するとネズミは餌の出るレバーを押すのをやめ、別のレバーを押すようになりました。これは隣人の性別、見知らぬ人であるか否かに関わらず、同じ結果が得られました。

「人間と同じように、ラットは実際に他人に害を及ぼすことを嫌悪しているように感じます」と、NINの研究者で研究の第一人者であるジュレン・エルナンデス=ラメントは説明します。

今回の実験では24匹のドブネズミを訓練し、そのうち9匹が仲間の悲鳴を聞くとレバーを押すのやめ、おやつが出ないレバーを押すようになったが、他にも様々な反応を示した。

あるネズミは最初の悲鳴を聞くと怯えてしまい、どちらのレバーも押さなくなった。また、あるネズミは特に何も気にしていない様子だった。こうした多様性は「ネズミにヒトの個性に似たものがあることを示唆するもので、とても面白いと思います」と、キーザーズ氏は語りました。

また、追加の実験で報酬の量を3倍にしたところ、前回は仲間のためにレバーを押すのをやめたネズミも押し続けるようになってしまったという。

さらに仲間の危機を回避したネズミに麻酔を投与し、脳の前帯状皮質を一時的に働かなくさせたところ、ネズミは他の仲間を助けなくなってしまいました。

研究者は今回の研究は、前帯状皮質に障害があるサイコパス(精神病質)やソシオパス(社会病質)など、反社会的な行動を起こすパーソナリティ障害を改善する薬の開発に役立つ可能性があることを示唆しました。

「現時点では、反社会的な行動を起こす人々の暴力性を効果的に低下させる薬はありません」と、キーザーズ氏はナショナルジオグラフィックに語りました。

「動機が何であれ、反社会的行動を防止するメカニズムをラットと共有すること私にとって非常にエキサイティングです。脳科学のすべての強力なツールを使用して、反社会的患者の害嫌悪を高める方法を探ることができます。」

参照:gigazine