科学者は100万分の1のサイズで人間の器官を再現しました。これは世界で最も洗練された人体のミニチュア臓器です。

近年、医療は目覚ましい発展を遂げ、以前は治療が不可能とされた病気も治療が可能となりました。しかし、新たに作られた治療薬も人間に予期せぬ毒性を招くとして承認することが出来ないものも数多くあります。 これらは人間の生理的機能を正しく理解、再現できていないことにより生成された誤ったデータの結果です。

この問題を解消するために研究者は最も洗練された人体のラボモデルを作成しました。それは実際に人間の細胞と幹細胞を用いて作られたミニ器官システムです。

これらは何も実験室でフランケンシュタインを作ろうとしているわけではありません。このシステムを使用することで新薬の市場投入までの時間を短縮し、臨床試験のコストを削減し、動物実験を削減または排除することができます。

Biofabrication誌に掲載された報告によるとウェイクフォレスト再生医療研究所(WFIRM)の科学者は成人の人間の臓器の約100万分の1のサイズの心臓、肺、肝臓、睾丸、ならびに結腸などの人体の大部分の臓器を代表するヒト組織に結合される多くのヒト細胞タイプから構築されるシステムの開発に成功しました。

これらのミニチュア臓器は実際の機能を模倣することが可能で、心臓を1分間に60回鼓動させたり、肝臓で有毒物質を処理することが出来ます。さらに、それらは血管細胞、免疫系細胞、さらには結合組織の細胞である線維芽細胞さえも含むことができます。

「元の臓器に存在するすべての主要な細胞型を含める必要があることは、非常に早い段階でわかっていました」と、共著者のアレクス・スカルダル博士は声明で述べました。「有毒化合物に対する身体のさまざまな反応をモデル化するために、これらの反応を引き起こすすべての細胞タイプを含める必要がありました。」

実際、WFIRMのミニチュア臓器モデルは、人間の使用が承認された多くの薬物の毒性をすでに測定できており、この内、いくつかの薬物が実際に人々に非常に有害であることが判明したため、市場から回収されました。回収された薬物は従来の動物試験テストを用いても有害性は検出されませんでしたが、新しいシステムは容易に人体の損傷を再現できました。

これらは人工人間ではありません。このシステムはあくまでも再現したものであり生物ではありません。

オルガノイドは人体を理解しようとする科学者にとって貴重な存在です。最も驚くべき進歩の1つに早産児の脳波と同様の「脳波」の兆候を示し始めたオルガノイドの観察があります。このオルガノイドは意識の徴候を示していませんが、今後、どのように発達するかを理解するために使用されるかもしれません。

WFIRMの共著者であるトーマス・D・シュペ博士は「細胞が住むための非常に自然な環境を含むなど、人間レベルで開発した同じ技術の多くも、顕微鏡レベルに引き下げたときに優れた結果を生み出しました。」と、述べました。

参照:iflscience