宇宙は138億年前に起こった大爆発「ビッグバン」が誕生のきっかけだと言われています。密度の高い、超高温の火の玉のような世界から始まりました。その後、様々な惑星が生まれては崩壊、爆発を繰り返してきました。

遠方の銀河団を研究している天文学者たちはビッグバン以来、宇宙で最大の爆発を検出しました。爆発は数億年離れた銀河の中心にある巨大なブラックホールから来ました。
EurekAlertに掲載された報告によると、爆発は、地球から約3億9千万光年離れたへびつかい銀河団で起こりました。それは非常に強力であったためブラックホールを取り囲む超高温ガスであるクラスタープラズマに空洞ができました。国際電波天文学研究センターのカーティン大学ノードのメラニー・ジョンストン・ホリット教授は、このイベントは非常にエネルギッシュであると述べました。
「これまでに銀河の中心で爆発が起こったことがありますが、これは本当に巨大なものです」と彼女は述べました。「それがなぜそんなに大きいのかはわかりません。しかし、それは非常にゆっくりと起こりました。何億年もかけて起こったスローモーションの爆発のように。」
クラスタープラズマに空洞ができていることは以前よりX線望遠鏡により観測されていましたが、科学者たちは当初、爆発があまりにも巨大だったためエネルギー爆発によって引き起こされた可能性を却下しました。
研究者らは電波望遠鏡でへびつかい座銀河団を観測する事で初めて何が起きたのかを理解しました。
NASAのゴダード宇宙飛行センターの共著者であるマキシムマルケビッチ博士は「これは、ここで発生した前例のないサイズの噴火を告げるクリンチャーです。」と、述べました。この発見はNASAのチャンドラX線天文台、ESAのXMMニュートン、西オーストラリアのマーチソンワイドフィールドアレイ(MWA)、インドの巨大な中波電波望遠鏡(GMRT)の4つの望遠鏡を使用して行われました。
MWAのディレクターであり、銀河団の専門家であるJohnston-Hollitt教授は、この発見を最初の恐竜の骨の発見に例え、「この発見は少し考古学と似ています。」と言いました。
「低周波電波望遠鏡をより深く掘り下げるためのツールが提供されたので、今このような爆発をもっと見つけることができるはずです。」
この宇宙史上最大規模の爆発は以前の記録の5倍のエネルギーを放出しました。天文学者は今後もさらなる情報を集めるとしています。
この研究はAstrophysical Journalで2020年2月27日に「へびつかい座銀河団での巨大なラジオの化石の発見」として発表されました。 参照:EurekAlert