Electigmaについて

「汗をかく」ことで自律的に体温を調節することができるロボットが開発される。

生物学的システム、機械的システム問わず、長時間に渡って最高出力を出し続けるには体温調節が必要不可欠です。哺乳類には汗をかくことにより上昇した体温を冷却する機能が備わっていますが機械にはありません。

そこでコーネル大学の研究者は自律的に体温を調節し、持続的な運動パフォーマンスを維持することができる、「汗をかく」柔らかいロボット筋肉を開発しました。これにより、人間のようなロボットの構築に一歩近づいたかもしれません。

Science Roboticで報告されているように、永続的で適応性のある俊敏なロボットを作るためのハードルの1つは、ロボットの内部温度を管理することです。例えば高機能なタービンでも長時間回し続けると深刻な熱問題が発生し、動作不能となります。金属製のものは比較的速やかに熱を放射できますが、合成材料でできたロボットは熱を保持し続けます。冷却ファンはスペースを占領するためあまりいい案とは言えません。

「発汗する能力は、人間の最も注目すべき特徴の1つです」と共同執筆者のトーマスJ. Wallinは声明で述べています。「発汗は蒸発した水分の損失を利用して急速に熱を放散し、周囲の環境温度以下に冷却することができます。多くの場合、生物学はエンジニアとして優れたガイドを提供してくれました。」

ソフトヒドロゲルで出来たアクチュエーターは3Dプリンターで作られ、油圧で稼働し、物を掴むことが出来ます。研究者は水を保持できる2つの材料、つまりスマートなスポンジを利用し、指のようなロボットを制作しました。

指の温度が30℃に達すると反応します。。これらの細孔は同じ温度範囲に敏感で、自動的に膨張して「汗」を放出し、温度が30℃を下回ると閉じます。

この水の蒸発によりアクチュエータの表面温度はわずか30秒で21°C低下します。これは人間の3倍、 ファンからの風にさらされることの約6倍の速さです。蒸発によりアクチュエーターが持っていた物体も冷やされました。

「この合成戦略の最良の部分は、熱規制性能が材料自体に基づいていることです」とWallin氏は述べています。「発汗速度を制御するためにセンサーやその他のコンポーネントを用意する必要はありませんでした。局所温度が遷移点を超えると、毛穴が自然に開閉します。」

この研究結果は非常に興味深いものですがいくつかの欠点があります。1つはロボットの機能を損なう危険性があることです。また汗がロボットが掴んだ物体を滑りやすくすることもあるため、グリップの改善も必要です。さらにロボットが給水する必要もあります。

「これらのより生物学的に類似した材料とロボットを作る将来は、材料の組成に依存するだろうと思います」と共同主席著者である機械および航空宇宙工学の准教授であるロブ・シェパードは述べました。「これにより、この分野での学際的研究のポイントが浮かび上がり、実際にはすべての答えを持っているグループはありません。」

参照:iflscience