「事実上ハッキング不可能」とされる量子インターネットの青写真が発表される

米国エネルギー省(DOE)は、量子力学の法則を利用して、これまで以上に安全に情報を制御し、送信することができる量子インターネットを構築する計画を明らかにしました。

科学者たちは、量子インターネットを21世紀で最も重要な技術の1つと位置づけ、今後10年以内にプロトタイプの建設が可能になるとしています。

近年、情報の電子化が進むにつれ、機密データのほとんどが暗号化され、ケーブルなどを通じて外部に送信されています。この際に、暗号化したデータを復元するための「鍵」も送られます。

こうしたデータは0と1の信号として表されますが、インターネットの脆弱性はここに起因にしています。賢いハッカーは痕跡を一切残さずにこの一連の流れを読み取ることができるのです。

量子インターネットでは、量子の特性を利用してデータを保護することができます。送信中のデータをハッカーが読み解こうとすると、観測された量子は即座に「1でもあり0」の状態に崩壊してしまう上に、痕跡が必ず残ってしまいハッキング行為が露見してしまうことになります。

このことからDOEは、量子インターネットを「事実上ハッキングできない」としています。

今年2月、同省とシカゴ大学の科学者はシカゴ郊外に52マイル(83 km)の「量子ループ」を作成し、全米で最長の陸上量子ネットワークを構築することに成功しました。

このネットワークは間もなくDOEのフェルミラボに接続され、3つのノード、80マイルのテストベッドを確立する予定とのこと。

「最終的には、携帯電話に量子ネットワーク技術が利用されることで、世界中の個人の生活に幅広い影響を与える可能性があります。」と、声明は付け加えています。

また、今回の報告書内では「膨大な量のデータの交換をいかに促進できるかを探っている」と書かれており、これらの構成要素を組み合わせて規模を拡大することができれば、社会はデータ通信の飛躍的な進歩をとげる可能性が示唆されています。

フェルミラボ社の量子プログラム責任者であるパナギオティス・スペンツオリス氏は「この青写真は、これをどのようにして全国的に展開するかを示す重要なものです」と、述べています。

参照:DOE / Sciencealert