犬には地球の磁気を感知する能力があるという研究結果

「遠く何千キロも離れた先で迷子になった愛犬が帰ってきた」というニュースを聞いたことがありませんか?

コリーミックスのボビー」や「転居前の自宅に帰ったクレオ」などです。

匂いの追跡ができないにもかかわらず自宅までの経路を導き出す特異な能力から、オカルト愛好家たちから「イヌは第六感」を持っているのではないか」と囁かれてきました。

チェコ・ライフサイエンス大学を含んだ複数のチームが行った新しい研究から、イヌが地球の磁場を感知し、それを使って移動していることが判明しました。

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渡り鳥が磁気を感知して繁殖地と越冬地を行き来したり、ミツバチが磁気を受容し、記憶することで採餌活動を効率的に行うなど、磁気をナビゲーションとして使用するのは珍しいことではありません。

チームはイヌの地磁気感知能力を調査するために、27匹の狩猟犬のGPSを取り付け、自然環境に解き放った後で解放した人のもとへ戻れるか実験を行いました。

結果、すべてのケースにおいてイヌが解放した人のもとへ戻ることに成功し、ルート分析により2つのタイプに分類されました。

1つは「トラッキング(追跡)」と呼ばれるもので、行きに使用した道をたどり元の場所へ戻るというもの。

もう1つは「スカウティング(偵察)」と呼ばれ、全く新しい道を開拓して戻るというものでした。

「トラッキング」と「スカイティング」を行ったイヌの経路。credit : Benediktováet al.2020.elife

チームは「スカイティング」をとったイヌたちが奇妙な行動をとっていたことに注目。

彼らが行ったのは南北軸に自分の体を沿わせ、20メートルほどの長さを数回走ってから出発点に戻るというもので、この動きをしたイヌはそうでないものよりも速く、より最短距離に近いルートを選択しました。

チームは、南北に走るということが、イヌが見慣れぬ環境で自宅を探し出すのに使用している証拠であり、賢いイヌはそれを帰り道を探す手助けとしていると信じています。

もちろん、これだけでは磁場を感知できる証拠にはなりません。匂いや記憶、何か他のものが関係している可能性はあります。

追加の実験では、可能な限り彼らを全く新しい場所に連れて行くようにし、徘徊するイヌの風下に立つことで匂いを残さないようにしました。にもかかわらず、彼らは南北に走る奇妙な行為を繰り返した後、何事もなかったように戻ってきています。

チームは、彼らが磁気を感知しているのかどうかを裏付けるためのさらなる実験として、イヌの感覚を意図的に妨害する「磁気首輪」を使用することで磁気知覚を証明することを目指しています。

この研究はelifeに掲載されました。

参照:iflscience / phys