太陽の250万倍明るい星が突如として行方不明となる現象が観測される

ヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡(VLT)を用いた観測により、そこにあったはずの「不安定で巨大な明るい星」が突然行方をくらましたことが明らかになりました。

Monthly Notices of the Royal Astronomical Societyに掲載された報告では、なぜこのようなことが起こったのかについて推測がなされていました。

姿が見えなくなった青色変光星のイメージ画像。credit : ESO / L。カルサダ

しかし、この星は宇宙の遥か彼方に位置しており、個々の星をピンポイントで観測することは現在の技術では不可能なため、詳細はわからずじまいとなっているのが現状です。

問題となった星は、7500万光年離れたPHL293Bと呼ばれる矮小銀河に位置しています。この星は「高光度青色変光星」と呼ばれる変光星の1種で、爆発や噴火によってその明るさをコロコロと変化させています。

ところが、2019年に「星の最後」を観測しようとした天文学者により「PHL293B」が完全に見えなくなっていることが報告されました。その後、アーカイブをさかのぼった結果、2011年を最後に行方がわからなくなったことから、同年に大規模な変化を迎えたことが示唆されました。

この現象は非常に興味深いものです。通常、このような巨大な惑星は死亡する際に超新星爆発を起こし、何年にも渡って銀河を明るく照らした後、ブラックホールや中性子星へと変化すると予想されています。

しかし、今回の星はそのような兆候を一切見せませんでした。このような巨大な星が爆発も起こさずに消えることは非常に珍しいことだとアンドリュー・アラン氏は語っています。

キンマンドワーフ銀河のハッブル画像
2011年に撮影されたPHL 293Bの画像。青く輝いているのが問題の星。credit : NASA、ESA /ハッブル、J。アンドリュース(U.アリゾナ)

幸いなことに、研究チームはこの巨星で何が起きたのかに関する仮説を2つほど用意してくれています。

1つ目は、星が放出した塵で光が遮られている可能性。噴火により雲ができてしまったという説で、ベテルギウスが見えなくなったのも塵によるものだと推察されています。

2つ目は、超新星爆発に失敗した可能性。かなり奇妙な話ですが、超新星爆発を起こさずにブラックホールに変化してしまったという説です。

前述したように詳細な観測が困難なため、どちらの説が正しいかを判断することは出来ませんが、どのシナリオが発生したにせよ、星のモデルを変化させる機会を逃してしまったことに変わりありません。

しかし、この星を継続的に観測することでそれらの”損失”を補うことができるかもしれません。

「我々は、夜に向かって緩やかに進む宇宙の最も巨大な星の一つを検出したかもしれない。」と、宇宙物理学者ホセ・グロウ氏は述べました。

この研究は Monthly Notices of the Royal Astronomical Society

参照:ESO