小惑星衝突後の恐竜の生活を助けたのは「火山噴火」だったという研究結果

恐竜の厚い装甲でさえその影響から逃れることが叶わなかった。credit : ファビオ・マヌッチ

白亜紀最後の日、最悪の角度で衝突した小惑星は世界に「長い冬」を引き起こし、地球上の75%以上の全生物を絶滅へ追い込みました。

しかし、時を同じくして起こった「デカン・トラップ」の大規模な火山活動が生命の荒廃の原因であるとする研究者もおり、長い間議論の的となってきました。

しかし、直感的予想に反して「デカン・トラップ」は恐竜たちにとって良い影響を与えていたのかもしれません。

複数の大学が行った新しい研究は、寒くなった地球を火山が温めたことにより生命の絶滅を遅らせた可能性を指摘しました。

研究の主導者であるアレッサンドロ-キアレンツァ博士は「我々の研究は”小惑星が引き起こした冬”が唯一、絶滅の要因であることを説明しています。」と語りました。

犯人は誰だ?

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過去、地球上では5回の大量絶滅を経験しており、その多くに「火山噴火」が関わっているとされています。

小惑星の衝突は大量のチリとガスを巻き上げ、恒久的な冬を引き起こしますが、火山の噴火もまた、太陽を遮る効果を持つ粒子やガスを放出します。

実際、かつての「デカン・トラップ」は何万年にも渡って活動を続けていたと推測されており、大量絶滅の片棒を担いだ可能性は十分にあります。

火山噴火と小惑星、どちらが気候変動ガスを撒き散らしたのかを判断するために、チームは地質学的な指標と強力な数学モデルに加え、降雨量や気温など、恐竜が繁栄するために必要な環境要因についての情報を組み合わせてより強力なモデルを作り上げました。

「小惑星の衝突」、「デカン・トラップ」、及び2つの影響を合わせた14のシナリオをシミュレーションした結果、すべてのモデルで、デカン・トラップは大量絶滅を引き起こし得ない」という結論が導き出されました。

対象的に小惑星シナリオの被害は甚大でした。一部の地域では気温が氷点下を下回り、降水量が85%~95%減少するという結果が得られたといいます。これでは恐竜はおろか鳥類ですら生存出来ないでしょう。

むしろ救世主的存在だった?

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研究チームが作成したモデルは火山の無力感を検証したと同時に予期せぬ影響も明らかにしました。

なんと火山の噴火が生命の回復を手助けした可能性が示唆されたのです。

火山は太陽を遮るガスの他に温室効果がある二酸化炭素を大量に放出します。

そのため短期的に見ると「火山の冬」を引き起こす悪者に見えますが、長期的に見ると周囲を温暖化させ、生態系を保護するヒーローとなります。

モデルは小惑星によって引き起こされた最初の冬を火山が打ち消すことにより、鳥類や哺乳類を含む絶滅を免れた全生物が再び繁殖する環境を整えていた可能性があることを示しました。

しかし、さしもの火山でも影響を完全に相殺することは出来ず、獣脚類たちは絶滅してしましました。

ですが我々霊長類が地球の王者に君臨し、最終的に繁栄を築くことができるようになったことを考慮すると火山は十分な働きをしてくれたと言えるでしょう。

この研究はpnasに掲載されました。

参照:iflscience / eurekalert